Vol.018 怖れや不安の本当の原因 クレー射撃の名手になる
Listen now
Description
こころが怖れや不安を感じているとき・・・その原因とはいったい何なのでしょうか? 「もちろん、今起きている状況、あるいはこれから起きるかもしれない状況です!」と言われるかもしれません。 仕事がうまくいかない、人間関係で問題が起きている、体調が思わしくない、先行きに不安を感じる・・・というように。 私たちはこのような状況に対して、環境を変えたり、能力向上をはかったり、相手をどうにかしようとしたり、健康対策をとったり・・・改善をはかる努力をします。 そうすることに問題はないのですが、これらが怖れや不安の原因であり、解決策もここにあると信じてしまうと、結局同じ問題をくりかえすことになってしまいます。ほんとうの原因が放置されたままだからです。 そもそも、怖れや不安を感じているのは「自分」なので、たとえものごとや人が変わろうとも、怖れや不安は新たな状況のなかでも簡単に姿を現すことになります。処理しないかぎり、いつまでもどこまでもつきまとってくるのです。   怖れや不安はもともと自分のこころにあるもので、ものごとと結びつくことでそれが原因のように感じられてしまうのです。 では、なぜ自分はこんなに怖がりで、不安を感じてしまうのでしょう? それは、自分で自分を脅すのをやめられないからなのです。 そもそも、その状況そのものが怖いのではなく、自分の「その状況に対するでっちあげ」こそが怖いのです。 私たちはいつもこころのなかで、自分自身を脅すのをやめることができません。     一日のうちにアタマに浮かんでくる思考の数は、数万個という膨大なものです。そのほとんどが日々、同じセリフのくりかえしです。さらに、思考の80%は、自分を幸せにしない否定的な内容となっているのです。 ということは、年がら年中飽くことなく、自分の考えで自分を攻撃していることになります。それなら、怖れや不安を感じてあたりまえです。 「最近太ってしまった醜い私」 「過食や飲み過ぎをやめられない意志の弱い私」 「友人との会話でバカみたいな発言をしている私」・・・ダメな私、みっともない私、価値のない私。 一日のうち、アタマに現れる意識的、無意識的な思考をチェックしてみると、他の人に対しては決して口にしないような辛辣なセリフであふれています。 このような否定的な思考のオンパレードは、何ら検閲もされず、無条件に丸ごと信じられてしまっているのです。 だからこそ、そこからネガティブな妄想が発展し、怖れや不安がふくらんでいってしまうのです。     はっきりしておかなければならないことは、「思考はただ浮かんでくるものであって、自分自身ではない」ということです。 自分が考えているように感じていますが、そもそも「考えを止めることができない」ことを考えると、自分でもコントロールがきかない思考は勝手に湧いてくるものにすぎません。 たった3分後にさえ、どのような考えが浮かぶのかさえも予測することができません。また、内容のほとんどが否定的となれば、それは事実ではないし、簡単に受け入れるべきものではないのです。 このような得体の知れないものはそのまま放っておくことで、タバコの煙のようにふわふわと消え去
More Episodes
どのような状況でも長くつづくと、それが「ふつう」になってしまいます。 人には高い適応能力があるので、たいていのことには慣れることができるのです。 しかし、「慣れる」というのは、じつは本来の自分ではない状態になることを意味しています。   なんとなくイライラする、もやもやする、どよよ~んとする・・・そんなときは「自分ではないものになっていますよ」ということを、心地悪さという感覚を使って知らせてくれているのです。   本来の自分とは、こころ安らかで幸せな状態です。それは、頑張ってなるのではなく、もともと自分に備わっている本質そのものです。澄みきった湖のように、静かで穏やかで平和な...
Published 11/08/24
新年の抱負として、クライエントのA子さんがこのように語っていらっしゃいました。「すぐにイライラして人にあたってしまう私ですが、今年は人を責めたり、裁くことなく、こころ安らかな日々を過ごしたいと思っています」。   ついつい人にイヤミを言ったり、あげ足をとったり、攻撃してしまうクセがあり、それは相手だけでなく自分もイヤな気持ちになることに気づいたからです。   その後、その新年の抱負についてうかがってみると、このように仰っていました。「人にあたらないように気をつけたのですが、じつはさらにイライラすることが多くなり、安らかさとは程遠いのです」。   また、体調が悪くなったり、予期...
Published 10/25/24