情報科学において必要とされる、集合論をもとにした基本的な数学概念を説明する。はじめに素朴集合論の概略を述べ、関係や、写像の概念の説明と例示を行う。これらを基にして、集合上に構造を付加していく。たとえば、単純グラフ、多重グラフ、視覚的にも興味を覚えるかもしれない平面的グラフ、情報理論では重宝されている木の概念、そして、計算論で大事なオートマトン理論などが紹介される。考えている構造をもつ対象がどれほどあるかを考察する、組み合わせ論を厳密に展開する。最後に符号理論に必要な代数系についても概略を述べる。