89. 都市と森と畑をつなぐ糸状菌 Guest:宮沢佳恵さん
Description
東大の宮沢佳恵さんと糸状菌による豊かな土づくりについて話しました。
「菌ちゃん農法」や「大地の再生」の根幹は糸状菌だったのか!面白い。
自然生態系の研究だけでは自然を守ることは難しい、農業の環境負荷を減らす方法について研究を始める。
人が手を入れることで、負荷を減らすだけでなく自然を豊かにする方法=糸状菌を増やす農法について研究。
研究をして論文を出すのに時間もかかるし、難しいテーマなので長期間の取り組みが必要で、あまり取り組まれないテーマになっている。
糸状菌を農業に活かす興味を持ったきっかけは、土を柔らかくする農法から。
未分解の有機物を施与することで、土中で糸状菌が活躍して土を団粒化する。
腐生性の糸状菌が増えることで病気が抑えられる
長崎の吉田さん:菌ちゃん先生の農法を研究する。
C/N比から見た炭素資材を使った農法について。
→表面に施すことで窒素飢餓は出ない。表面で小動物や微生物分解が起きて、窒素固定菌などの活躍で窒素も発現する。
微生物相が変わるのに時間がかかる?
→木質チップだけではなく、中熟堆肥を混ぜたりやり方は色々ある。半年~1年くらいで変えられるやり方を模索している。水分条件やスタート条件が重要。
・矢野さんの大地の再生は少し手を入れることで、地中の糸状菌を増やして土地を豊かにする方法
・炭を入れることで地中に空気を維持して糸状菌が土の中に住むことができる。
・木質チップ、廃菌床を使った栽培について研究している。
・空気の好きな糸状菌は表面から増えて、団粒構造を増やしながら徐々に深いところに空気を含みながら降りていって、団粒構造を発達して土を柔らかくする。
【都市と森と畑】
生ごみ→堆肥→森を作る→木質を畑に入れる→農業→食糧→生ごみという循環
団粒化した土地が広がれば、水害を減らすこともできて、海を守ることにもつながる。糸状菌が世界を救う。
糸状菌を生かした栽培のポイント
・チップは細かすぎない方がいい、細かいと空気が詰まりやすい
・かなり高い畝を立てて(地下水位によるが50cmくらい)十分土の中に空気と水が含まれるようにする。
・最初に一度雨に当てて濡らしてからマルチをかける。
・団粒化することで畝が柔らかくなるので雑草も抜きやすい畝になる。
宮沢 佳恵准教授
https://www.ga.a.u-tokyo.ac.jp/p_miyazawa.html
畑と森を再生する糸状菌の活性化基金
https://utf.u-tokyo.ac.jp/project/pjt159
菌ちゃん農法
https://www.town.matsukawa.lg.jp/material/files/group/6/danryuukouzou.pdf
大地の再生 矢野智徳さん
https://daichisaisei.net
炭素循環農法(ブラジルの林さん)
http://www.ultraman.gr.jp/perma/tansojyunkannouhou.pdf