1085 春の熊くらい好きだよ
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「もっと素敵なこと言って」 「君が大好きだよ、ミドリ」 「どれくらい好き?」 「春の熊くらい好きだよ」 「春の熊?」と緑がまた顔を上げた。「それ何よ、春の熊って?」 「春の野原を君が一人で歩いているとね、向こうからビロードみたいな毛なみの目のくりっとした可愛い子熊がやってくるんだ。そして君にこう言うんだよ。 『今日は、お嬢さん、僕と一緒に転がりっこしませんか』 そして君と子熊で抱き合ってクローバーの茂った丘の斜面をころころと転がって一日中遊ぶんだ。そういうのって素敵だろ?」 「すごく素敵」 「それくらい君のことが好きだ」 緑は僕の胸にしっかりと抱きついた。「最高」と彼女は言った。 --村上春樹『ノルウェイの森』より 「野球短歌」池松舞さんインタビュー タイガースを愛するゆえの喜怒哀楽、歌に詠まずにいられなかった https://book.asahi.com/article/14950717 一人称単数 : 村上 春樹: 本 https://amzn.to/3x3cMaA 光が丘公園と300円コンロ - @narumi のつぶやき https://listen.style/p/narumi/v9wohnbr
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