“まさか……あなただったとはね……。冒頭から謎の女性の一言で始まる今作品。語り等無く直ぐにOPに入り、聴き手を飽きさせないこの手法はオーディオドラマ製作者である健介さんの十八番だ。
この作品は「文学少年の孤独」脚本を手がけている藤野塔哉先生によるweb小説「シンメトリーな報復」をオーディオドラマ用に書き直し、健介さんを始め、音楽担当に君島三夜さんを迎えた「文学少年の孤独」チームが制作。またOP・EDを担当するのは熊本で活動しているバンドkarte。ラストシーンのブラックアウトからのEDは聴き手を最後まで放さない程作品へ相応しい曲として使われる聴き所の一つである。
製作者である健介さんも言っているが、本当にこの作品は暗闇でイヤホンを使い聴いて欲しい。そしてすっと目を閉じて貰いたい。すると目の前にこの世界の音がすぅ~っと入ってくる。この物語は男女4人によって描かれ、物語が始まると電車や車。ドラッグストアやコンビニ、モニュメント等一見関係無い物が出てくるが、これらが全てこの物語の鍵となり男女4人の運命を大きく決めてしまう。
更に作中に流れるピアノの旋律、台詞と交わる音の一つ一つにオーディオドラマの在るべき姿が見事に表現されているとさえ感じれるほど音への拘りがある。
時間はあっという間に過ぎ、35分という短さの先にある結末を聴き終えた時、まるで一つの短編映画を見終わった様な気持ちへ引き込まれた。
これはオーディオドラマの枠を超えたエンターテイメントである。”
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03/30/12