Description
漁師は乱獲、量販店は乱売、消費者は乱食。みんなが自分の目先の利益だけを考えてやってきた結果、日本の漁業は衰退し、持続可能ではないものになりつつある。そんな悪循環を脱しようと、悪戦苦闘しながら新しい漁業のカタチを模索している福岡県宗像市の漁師、正好輝旭さんをゲストにお招きし、歩きながら1時間、対談する。正好さんは、2021年ポケマル年間生産者ランキング【海産物部門】第10位にランクイン。
正好輝旭(まさよしてるあき)/1980年、福岡県宗像市出身。海女発祥の地と言われている鐘崎港で、先祖代々、海士(あま)の家系で、父の背中を見て育つ。世界遺産、宗像沖ノ島のお膝元である福岡県宗像市鐘崎港が面する玄界灘は、全国でも有数の魚介類豊富な漁場。そんな綺麗な玄界灘が大好きで、父の跡を継ぎ、漁師になることを決意。
2002年、宗像漁業協同組合員となり、海士として従事。父と一緒にアワビやサザエ、ウニ、ワカメなどを収穫。2013年、大阪の東部市場内にあるマグロの卸売・東幸水産株式会社に就職し、4年務める。2018年、宗像の海の幸を多くの方々に知ってもらうため、株式会社マサエイ水産加工を設立し、アカモクを中心にワカメやウニなどを製造・販売。誰も見向きもしていなかったアカモクを海士たちから買い取ることで、少しでも仲間の収入源になればと思い、起業した。今年4年目を迎えるが、もっと売ってたくさん仕入れができるようにしたい。
近年、温暖化などの影響で思った通りに収穫もできず、水揚げ量が低迷している中、収入が減少し続けている海士の苦しみを身をもって痛感している。さらに、海外産の安い海産物が流通し、本当に美味しいものを命がけで獲って届けている漁師の居場所がなくなりつつあると感じる。長い目で見たとき、それでは消費者にとっても漁師にとってもお互いに損をしていると言っても過言ではないと思う。
ポケマルでは生産者が直に取引ができ、鮮度が高い内に消費者の手元に届くことで新鮮をそのまま口にしてもらえる。お互いに喜ぶことができるということは、漁師にとっても、とてもやりがいになる。まずは知ってもらうことが漁業の発展に繋がると信じている。
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ポケットマルシェ代表の高橋博之が、社会を“生きる“ゲストと対談する「高橋博之の歩くラジオ」。ゲストのみなさんは、農家・漁師、起業家、研究者、行政官、メディア、NPO、学生……と様々な立場から、自分たちの生活する場、自分たちの生きる社会をよりよくしていこうと、熱い想いや強い志をもって働きかけている方々です。
「高橋博之の歩くラジオ」では、あらゆる角度から社会についての議論が交わされ、心に響く言葉が生まれています。自分の“生きる“日々を振り返って、ちょっと立ち止まって考えたり、背中を押してもらったり。このラジオが、そんなきっかけになることを願っています。
※こちらのエピソードは、過去にポケットマルシェ公式Youtube/Facebookにてライブ配信されたものです。
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