俺の抱える飢えも凍えも、流れる時間も、暗闇に隠れていることも。その行為じたいが社会に対する復讐のような優越的な悦びがあった。それがセックスだったら、俺はどれほどマリアのなかに射精したかわからない~作中より~
─有城佳音著「異常者に見える月」Synchronicity─
幼いころ少女と犯した罪。セックス以上の精神のセックス。独白。主人公を癒した少女は消え、蜂蜜を見つけたようにやってくる少女たち。性から逃げる主人公。男たちの欲望の対象/捌け口にされる女との出会い。哀しみの連鎖と依存。セックス中毒…。消えた少女が導く「世界の破滅」と「新生」。サイバー空間≒宇宙空間に流れる声。彼は異常者なの...
Published 07/26/24