「月のウサギ」の物語
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「教え」というものはひとりでに伝わりゆくものではありません。仏教が遠くインドから日本にまで伝わったのは、その過程において多くの人間のはたらきがあったからです。古代の社会にあっては、「語り」が重要な役割を果たしました。とりわけ古代インドは物語の宝庫でした。お釈迦さまがこの世に生まれる以前の前世の物語、それがジャータカです。世界に伝わる『イソップ物語』や『アラビアンナイト』などの昔ばかしや伝説とも関連しています。ジャータカのいくつかの物語は経典を通じて、日本にもたらされました。その中でも『今昔物語』の「月の兎」の話は特に有名です。
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一般には、「頭の回転が速い=物事がよく見えている」ように思われている傾向があるように思います。 私も頭の回転が速い方を見ると羨ましく感じます。 一方で仏教では、頭を含めた色々な感覚を、静かに止めることで「物事がよく観える」のだと説きます(これを止観といいます)。 その喩えとして「六窓一猿」を今回はご紹介いたします。
Published 12/28/23
私たちは、情報を聞いただけで、分かったような気になってしまうことがあるようです。やはり百聞は一見に如かず。実際に体験することで、聞いた情報が「本当だった」と納得できる形が最も良いように思いますし、そうすることが情報を本当の意味で活かすことになります。 今回は、仏教の「指月の喩え」と「ラーメン屋さんの喩え」をお話しして、そのあたりを味わってみたいと思います。 指月(しげつ・しがつ)の喩え 「われは指を以て月を指し、汝をしてこれを知らしめんとするに、汝は如何指を看て、月を視ざる」 (『大智度論』) 佛が涅槃に入られるとき、諸の比丘に語られた 今日より法に依って人に依っては...
Published 11/19/23