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一般には、「頭の回転が速い=物事がよく見えている」ように思われている傾向があるように思います。
私も頭の回転が速い方を見ると羨ましく感じます。
一方で仏教では、頭を含めた色々な感覚を、静かに止めることで「物事がよく観える」のだと説きます(これを止観といいます)。
その喩えとして「六窓一猿」を今回はご紹介いたします。
Published 12/28/23
私たちは、情報を聞いただけで、分かったような気になってしまうことがあるようです。やはり百聞は一見に如かず。実際に体験することで、聞いた情報が「本当だった」と納得できる形が最も良いように思いますし、そうすることが情報を本当の意味で活かすことになります。
今回は、仏教の「指月の喩え」と「ラーメン屋さんの喩え」をお話しして、そのあたりを味わってみたいと思います。
指月(しげつ・しがつ)の喩え
「われは指を以て月を指し、汝をしてこれを知らしめんとするに、汝は如何指を看て、月を視ざる」
(『大智度論』)
佛が涅槃に入られるとき、諸の比丘に語られた
今日より法に依って人に依ってはならない
義に依って語に依るべきではない
智に依って識に依ってはならない
Published 11/19/23
身体や心によい影響を及ぼす事や物が、私たちの周りには溢れています。ただ、それらも度を超すと、逆効果になってしまうことがよくあります。
仏教は【中道】を勧めます。極端な端っこではなく、真ん中の道を通りましょうということですが、今は「ほどほど」を勧める言葉として受け取ってみたいと思います。
ご紹介するのは、やり過ぎを戒めるお話し。どうぞお聴きください。
Published 11/16/23
仏教の魅力のひとつに、「不安を和らげる力がある」という点が挙げられます。それは何か宗教的な境地などの類ではなくて、ちょっとホッとするような、些細だけれどあると嬉しいようなものにすぎませんが。
私は音楽療法士としての活動もしていますが、音楽にもそういった力があると感じています。
今回はその点をお話ししてみたいと思います。
Published 11/13/23
私たちの周りの人間関係は、複雑で、ややこしくて、どうしたら良いか分からなくなることもある、そんな悩ましいものだと思います。
「こうしておけば大丈夫」という単純明快な答えはありませんが、良い人間関係を築くためのヒントが仏教にはあります。因果の法則からそれを考えてみたいと思います。
Published 11/09/23
仏教は智慧の宗教と言われます。智慧というと少し難しいので、私は「気づき」と言い換えて受け止めています。気づきにも色々とありますが、仏教の気づきとして【自分の居場所】に気づいていくという点が挙げられ、そこがとても大事なのではと思うのです。
今回は仏弟子のお話を通してそのあたりを窺ってみたいと思います。
Published 11/07/23
会議や話し合いにおいて、話がうまくまとまらなくて、明らかにズレた結果になってしまうことありませんか?そこには様々な要因があると思いますが、そのうちの一つに、「特定の人の意見が必要以上に大きくなってしまう」ということがあるように思います。
そんなことにならないようにと戒めるお話しをしてみたいと思います。
Published 10/31/23
シンプルなお話しです。ズルをしてはいけないことを戒める物語。しかし、シンプルだからこそ、なんだか心に残るストーリーなのが不思議なところです。
仏教の世界観に耳を傾けてみてください。
Published 10/24/23
ヤキモチを妬いてしまうこと、ありませんか?嫉妬というほうがいいのかもしれません。
異性であれ同性であれ、大好きな人がいるとします。その人が素晴らしく思え、時に自分より秀でて見える。そんな時に心には「離したくない」という気持ちや、劣等感、執着などなど色々な気持ちが浮かび上がります。
そんなヤキモチや嫉妬の心をどう扱えばいいか。物語にヒントを求めてみましょう。
Published 10/10/23
人間関係って難しいですね。社会で生きていくためには、周りに合わせていくことを求められています。しかし、それがとっても辛い時もあると思うのです。
そして、周りに合わせることが習慣となってしまい、流れに任せることが身についてしまうと、大事なことを見落としてしまうのかもしれません。
自分にとって軸や芯となるもの、いわゆる信念を持つことができれば、周りに惑わされずにいられることもできのかも。
そんなことを教えてくれる物語を紹介します。
Published 10/07/23
英語で仏教を味わってみる取り組みです。
北米で語り継がれる「船乗りの喩え」は、浄土真宗の教えのエッセンスが込められている物語で、私はとても好きです。改めてご紹介致します。
船乗りの喩え
the Ocean metaphor
At night a ship leaves the port of a tropical island. After many hours on the high seas a sailor falls overboard. No one on the ship notices that the man is missing, and the ship sails on its way. The water is chilly, and the waves are choppy. It is hauntingly dark. The sailor paddles frantically to keep afloat.
He then starts to swim toward an island he saw before he...
Published 10/05/23
「一年生になったら友達100人できるかな?」という歌詞が私は苦手でした。友達ってなかなか難しいものです。遊びや目的が一致して仲良くできているうちは良いのですが、ひょんなことで、または全く知らないうちに友達ではなくなってしまう、友達でいられなくなることも。みなさんは経験したこと、ありませんか??
友達って、なんだろう??
今回はそんなことを考えてみました。
Published 10/03/23
ギリシャ神話などにみられる「イカロスの翼」をご存知でしょうか。ロウで固めた翼により迷宮を脱出できたものの、父の戒めを守らず夢中になって高く飛んだために太陽の熱で翼が溶けて、、、という有名なお話です。
今回のお話は、「イカロスの翼」と類似点を持ったジャータカ物語です。インドの風景を想像しながら仏教の要素をお楽しみください。
Published 09/30/23
SNSのフォロー数や年収や外見などに、一喜一憂しているのが私たちの姿。しかし、仏教では「数字やデータは大事なことの一番外側」だと教えてくれます。
その視点からは、分かりやすいことではなく、目に見えない大事なことに気付かされるように思います。
Published 09/24/23
「教え」というものはひとりでに伝わりゆくものではありません。仏教が遠くインドから日本にまで伝わったのは、その過程において多くの人間のはたらきがあったからです。古代の社会にあっては、「語り」が重要な役割を果たしました。とりわけ古代インドは物語の宝庫でした。お釈迦さまがこの世に生まれる以前の前世の物語、それがジャータカです。世界に伝わる『イソップ物語』や『アラビアンナイト』などの昔ばかしや伝説とも関連しています。ジャータカのいくつかの物語は経典を通じて、日本にもたらされました。その中でも『今昔物語』の「月の兎」の話は特に有名です。
Published 09/23/23
仏教には教訓や気づきを与えてくれる話もたくさんありますが、ただただ物語として心に届くようなお話しもあります。
今回ご紹介するのは、後者のようなお話しです。
隙間時間に聞き流したり、眠れない時のおともなどにしていただけると幸いです。
Published 09/21/23
期待を裏切られることは辛いですね。物事は移り変わり、多面的であると知らされていても、「こうあるべき・こうあってほしい」という期待を抱かずには、私たちはなかなか暮らしていくことが難しいようです。
そんな私たちに、気づきをもたらしてくれるかもしれない物語をご紹介いたします。
Published 09/18/23
英語で仏教!の10回目。テーマは【因果】です。
現象には原因があり、行動は結果に結びつく。当たり前のことのようですが、原因と結果を丁寧に考えることで見えてくることもあるように思います。
●チャプター①
Inga, in the sense of cause and effect, is the idea that if there is a cause, it will always summon forth some kind of effect, and in reverse, every effect comes forth because of some cause.
●チャプター②
We carry out some act. That act becomes a cause, and it gives rise to some sort of effect. From this logic Buddhism concluded that if one carries out an act of goodness, it will have a...
Published 09/15/23
英語で仏教の第9回。今回のテーマは「縁起」です。
一般的には「縁起がいい・悪い」という文脈で使われることが多い言葉ですが、もともと吉凶を表す言葉だったのでしょうか?
仏教において最重要ワードとも言える「縁起」を、日本語と英語で少し味わってみたいと思います。
⚫︎チャプター①
Does the word “origin” (engi) come from Buddhism?
The answer is Yes. The word engi is a shortened form, using the second and fourth characters, of the four-character expression in-nen-sho-ki.
The four character phrase means that everything has a cause and condition. ”Cause”(in) are the factors which directly bring about a result, and...
Published 09/10/23
英語で仏教、今回のテーマは【苦】です。
仏教は【苦】を大きなテーマとして扱う宗教です。そのあたりを、日本語と英語で味わってみたいと思います。
⚫︎チャプター①
The Buddha was aware that this world is one of suffering. All things are impermanent; we will someday grow old, fall ill and have to die.
⚫︎チャプター②
We feel this as distress, cause for grief and anguish. Buddhism takes the fact of being born, growing old, becoming ill, and dying as fundamental sufferings of all sentient beings and calls this the “Four Sufferings.” These four are:
(1) birth
(2) old...
Published 09/10/23
英語で仏教の第7回。テーマは【無我】です。
無我とは「それ単独で存在するような、唯一絶対的なものは存在しない」という概念で、仏教のベースとなるものです。
そして、物事はみんな関わり合って成り立っているという「縁起」という思想につながるものでもあります。
ですから無我をinterdependence(相互依存)と訳すこともあるようです。
⚫︎チャプター①
What is nothing has an ego?This means that there is no ego or self which is an absolute existence and remains unchanged forever. It is similar to “impermanence” and the two concepts are inseparable.
⚫︎チャプター②
“Impermanence” places emphasis on the truth that everything arises, changes and extinguishes, while...
Published 09/06/23
英語で仏教!の第6回です。今回のテーマは「諸行無常」。
平家物語でも有名な言葉ですが、仏教の基本的な概念でもあります。英語と日本語の両面から触れていただき、仏教の世界観を味わってみてください。
●チャプター1
The belief that all things arise , change, and die is one of the fundamental understandings of Buddhism. This is often expressed as “all things are impermanent.” What this means is that nothing exists forever and absolutely unchanged.
●チャプター2
Even in our own bodies, there are a large number of cells dying each moments, and at the same time they are being replaced by numerous new...
Published 09/02/23
英語で仏教!の第5回は、「悟り」とは何かをテーマにしました。お釈迦さまが悟ったこととは一体何か?その一端をすこしお話しさせていただきます。
●チャプター①
Enlightenment, or satori, is a translation of the Indian word bodhi, which is transliterated as bodai in Japanese, hence enlightenment and bodai are synonymous. This is the absolute understanding of the composition and the truth of the universe and human beings.
●チャプター②
The Buddha thought that human beings are originally beings which bear suffering. Every human eventually has to grow old, experience illness,...
Published 09/01/23
英語で仏教の基礎を味わう第四回です。今日は「涅槃」どんな何?」ということのお話しです。難しい言葉ですが、仏教において大事な言葉ですので、紹介させていただきました。英文を以下に記載します。
●チャプター①
The Japanese word Nehan is a transliteration of the Indian word nirvana or nibbana, meaning “the state of a flame being blown out.” It represents the quiet, refreshing state of mind that exists when the fires of raging attachment and desire are extinguished.
On the other hand, “enlightenment” is the truth that the Buddha grasped during meditation by logical inquiry. In accordance with...
Published 08/30/23