偽り者とニコライ派の狭間で(ヨハネの黙示録2章1節~7節)
Listen now
Description
序)黙示録の全体像と教会の個性 ・黙示録は 7 つのブロックでできている。 ・7は聖書的「完全数」と言い、完成、完了、全体、完全を意味する。 ・7つのサンプル教会へあてられた手紙(御使いに書き送れ→御使いによって書き送れ)は、すべての教会に当てはまる内容をもっていると同時に、4 章以降の幻(明確に意味のある神様の見せた夢)を理解する背景 1)「偽使徒」を見抜いたエペソ教会~グノーシス主義の脅威~ ・「右手に七つの星」…イエス様の力は聖霊によって現され、誰に聖霊が与えられるかを決める権限がイエス様にあること。 ・「燭台の間を歩く」…国府である教会を巡回して導き、指導する方 ・「使徒」はイエス様から権威を委ねられ、奇跡を行い、聖書ができるまでの間、教会の教えを支えた。 ・「偽使徒(反キリスト)」は悪霊によって奇跡を行い、グノーシス主義(物質は悪であり、特別な知識により、霊的な本当の世界に脱出できる)に代表される霊肉二元論を教会に広めることをしていた。 ・黙示録では、創造者なる神の礼拝を強調することでこれに対抗する。 2)「ニコライ派」の惑わしから遠ざかっていたエペソ教会 ・「ニコライ派」はヨハネが命名し光を当てた問題。そういうグループが実在したのではない。黙示録の中で描かれ徐々に全貌が明らかになる。 ・「ニケ Nike(勝利の女神)」の「民(ラオス)」が語源。経済的繁栄を優先し、信仰的に妥協する考え方を是とするグループ。 ・黙示録では、この問題が厳しく批判される。獣の刻印「666」も関連。 ・エペソ教会は、ニコライ派を忌み嫌っていた正しい教会だった。 3)風前の灯だったエペソ教会 ・「初めの愛から離れてしまった」→直訳「あなたの愛、一番のもの、あなたはそれを手放した」 ・神への愛と人への愛の追求こそが、教会の生命線である。「正しさ」はその代わりにならない。 ・黙示録は、神の国の要(国府)である教会が、相応しいものになることを意図して記されている。そのために健全な教理は大切。二元論にはNo を言わなくてはいけない。「天国」は再臨の「待合室」に過ぎない。 ・「正しさ」だけで「愛」を忘れた教会は、無用の長物となる。 結)正しさは高慢に、愛は人を謙虚にする ・愛せない自分に直面するからこそ、神を求め、教会を必要とする。
More Episodes
序)福音への応答に力を集めて~朽ちない冠を共に受けよう~ ・朽ちない冠(第一コリント)=いのちの冠(黙示録)=金の冠=ギリシア世界の陸上競技の勝者のしるし 1)「王冠(ディアデーマ)」ではなく「冠(ステファノス)」 ・黙示録において王冠は、悪魔の象徴である竜がかぶっている。 ・王冠は権力の象徴で、人を従え、富をわが物にし、快楽と好き勝手をするというネガティブな側面を強調している。 ・この王冠を巡って、奪い合いが起こり、その背後に悪魔の暗躍がある。人との比較の中で得られる勝利が「王冠」に象徴されると言ってよい。 ・「冠」は、神の前に与えられたいのちを忠実に走り切る絶対的勝利。 ...
Published 11/17/24
Published 11/10/24
序1)「声を見る」ということ ・12 節「声を見る(ブレポー)」は「声に気づく」という意味と「声(幻全体)を悟る」という 2 つの意味がある。 ・ヨハネの黙示録は、見た(ホラオー)ままに書いたのではなく「わかる(ブレポー)」ように緻密な構成を練って書かれている。 序2)「人の子のような方」の幻とともに ・12 節~20...
Published 11/03/24