わたし、狸穴ナミは、子どものころ、親に期待されていた。 音楽の教育も受け、絶対音感を手に入れた。 でも結局、わたしは音楽の道をドロップアウトし、 一般企業に就職するも忙しすぎて体調を壊し、 その間に、辛い恋愛とそれなりに楽しい恋愛をいくつか経験して、 いまは仕事も恋愛もほどほどが一番だと思っている。 なのに、28歳の誕生日、わたしと彼氏の勇哉は、それぞれある事件に巻き込まれることになってしまった。
【私が聴いたあなたの過去】
狸穴(まみあな)ナミは、自身の誕生日を祝うために予約したレストランで恋人...
Published 04/28/24