冬の風鈴
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Description
島村(しまむら)芳樹(よしき)は、娘の玲奈(れいな)をすい臓がんで亡くした。10歳だった。 娘が亡くなった日から芳樹は見える世界が全てモノクロになった。 葬式が終わると妻の奈美は出て行った。 娘の玲奈と作った貝殻風鈴を毎日出しては音色を聞いた。音色に交じって玲奈の声が・・・。人と会うのも嫌になり在宅勤務。仕事のトラブルがやっと解決し外に出た。何かに導かれるように知らない道を歩いてゆくと見知らぬ一軒家に着いた。そこで・・・
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Published 04/27/24
※作中にアラート音の表現があります。  昼下がりの平穏な時間。30代のその夫婦は、おやつに妻の作ったまんじゅうを食べている。夫はまんじゅうを見て、ふと、妻に問いかける。「まんじゅうの皮は、脳の外側にあり理性と司る『大脳新皮質』に似ている。中のあんこは、本能を司る脳の『大脳辺縁系』。人間の本質は『皮=理性』か、『あんこ=本能』か、どっちだろう?」平穏な時間を破る緊急アラート。夫婦の会話を、ほの暗い影が侵食していく。
Published 04/27/24
富岡舜(22)は小さな美容院をはじめるが、人と話すのが苦手。客はほとんどこない。そこに、突然の雨の中、中学生になったばかりの少女、神谷百合杏(13)が訪れる。「ヘアドネーションの看板をみて」やってきたのだ。百合杏が語る<雨の記憶>、亡き姉への想いに、そっと耳を傾ける舜。 ふたりの不器用な若者の彼らなりの生き方、社会への優しさのあらわし方、きいてください。
Published 04/19/24