SIAF AS A TOOL #16 【ゲスト:脇田 玲(アーティスト)】
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札幌国際芸術祭(Sapporo International Art Festival, SIAF)2024のイニシアティブパートナーである『WIRED』日本版のポッドキャスト「SIAF AS A TOOL」では、SIAF2024のキーパーソンや出演アーティストたちをゲストに迎え、未来を拡張するツールとしてのアートやテクノロジーの可能性に迫る。第16回のゲストは、アーティストでサイエンティスト、慶應義塾大学環境情報学部(SFC)の教授である脇田玲。展示作品や産官学連携について。 ◼︎ 目次00:50 ゲスト紹介01:40 《Over Billions of Years》について09:45 モエレ沼公園だから15:00 膨大な自然を“かじる”ためのツール17:30 デジタル、フィジカル20:10 《Climatic Reflector》とは?24:30 気候変動と中動態27:00 アート × アカデミア × ビジネス33:50 インハウスアーティストの可能性36:00 最後に ◼︎ ︎️️スピーカー脇田 玲 | AKIRA WAKITAアーティスト、サイエンティスト。慶應義塾大学環境情報学部教授。40歳を目前に受けた癌の告知をきっかけに、アートの領域での活動を本格的に始める。流体力学や熱力学に基づいた独自のソフトウェアを開発し、科学と美術を横断する映像表現に昇華。その作品は目の前にありながらも知覚できない力を可視化/可聴化/物質化し、世界の見方を更新する。アルスエレクトロニカフェスティバルほか、国内外のさまざまなフェスティバル、芸術祭で作品を展示。 ◼︎《Over Billions of Years》2024 「人間が10億年生きることができたら、大地が流体のように振る舞う様子に立ち会えるのではないだろうか」。悠久の時間のなかで展開される大地の脈動や呼吸を聞き、大地のその新陳代謝に立ち合いたい。本作はそんな思いに端を発している。脇田玲は氷河期、間氷期、大地の砂漠化、 森林化、河川の生成、島の生成、人工物の生成など、数千年から億年単位で推移するさまざまな段階を、1つの数理モデルを用いてシミュレーションし、高精細な映像表現と音像表現で可視聴化している。大地はどのように生まれ、変化していくのか。文明が生まれて衰退していく過程はどのようなものか。自然と人工はどのように接続されるのか。 8K映像と音場合成技術による新たな音響表現がもたらす空間のなかに、根源的な問いが浮かび上がる。(機材協力:アストロデザイン株式会社/制作協力:慶應義塾大学 脇田玲研究室) ◼︎《Climatic Reflector》気候変動の問題が毎日のようにニュースになっている。一方で、それを「自分ごと」として捉えることができない人はとても多いのではないだろうか。自ら気候変動と向き合っているのか、向き合わされているのか、そのどちらでもないのか? SNSでそのような課題を扱っている投稿を見ても、本当に問題視しているのか、気候変動と向き合っている自分を愛しているのか、よくわからない印象すら受けることもある。思えば、「エコ」といった環境の概念は、本来は消費対象にすべきでない尊い態度だが、そのような態度すらもSNSで消費されていくさまをわたしたちは見届けてきた。気候変動に向き合っている自分を客観視することで初めて、ことの重大さに気がつく人もいるかもしれない。本作はそのような問題意識に基づいて作成された「人々の気候変動への能動」を可視化する装置である。(三菱電機統合デザイン研究所 × 慶應義塾大学脇田玲研究室) ◼︎
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『WIRED』日本版 編集長の松島倫明によるセレクト記事の読み解き。 ◼︎関連記事 15分で一冊の本が読める要約アプリは、何を省略しているのか https://wired.jp/article/sz-can-you-read-a-book-in-a-quarter-of-an-hour/ ※『WIRED』日本版によるブック関連の記事はこちら。 ◼︎開催間近のイベント 【11月28日開催】大規模再開発が進む「東京」から、都市の未来を描き出す──THE REGENERATIVE CITY...
Published 11/22/24
Published 11/22/24