Description
クリエイティブディレクター/コピーライター
の仁藤安久さんより、スウェーデンの首都、ストックホルムでのフォルクスワーゲンの実証実験からの"ファンセオリー"にイノベーションに大切なことを考えさせられました
"公園に設置されているゴミ箱に、ある仕掛けを施したのです。 ゴミ箱の入り口にセンサーを設置して、ゴミが投入されたことを感知すると、音が流れるようにしたのです。
「ひゅーーーーーーーーーーーん。どぉーーーーーん」 ゴミを捨てると、まるで奈落の底に落ちていくような錯覚を覚える音による仕掛けです。
生理的にも気持ちがよくて、ゴミをゴミ箱に入れることが楽しくなります。 結果として、ゴミをゴミ箱に入れる人が多くなっただけでなく、公園に落ちていたゴミを拾ってゴミ箱に入れるという人まで現れました。"
"ファンセオリー(楽しさによって人の行動を変える理論)
「人のココロを『正しさではなく楽しさで』動かして、『やらなきゃいけないと思っているけどできていないこと』の行動を生みだす」"
ここから私は思いました
1、仕掛け学
2、why not yet問題
3、楽しさのアウフヘーベン
この事例は大変有名な事例ですが、それをファンセオリーと言われているのは、とても言い得て妙だと思いました。
ここから、大阪大学の松村真宏教授の仕掛け学のことも思い出しました。解決したい課題と、行動したい課題を掛け合わせるという、仕掛け学と、このファンセオリーは、とてもシナジーがあるなと思います。
そして、この強力なソリューションは、長年解決できていないトレードオフがある課題や、社会課題などにも、とても力を発揮するのではないかと思いました。
課題を正面から解決しようとするからこそ、様々な軋轢やトレードオフがある永遠の課題を、全く違う方向の行動させる課題や、楽しくてやめられない仕掛け作りで、解決に向かう
例えていうならば、プレイトゥアーンで、ゲームをやりながら実は社会課題を解決しまってるみたいな、そんなソリューションがこれからどんどん出てくればいいなと思いました
さらには、これはもしかしたら、永遠の対立する課題のアウフヘーベン、つまりヘーゲルの弁償法にある、対立する二つの事柄を、否定せずに第三の道を探る
そんなソリューションなのかもしれないとも思いました。ゴミを捨てて欲しい vs 捨てるの面倒くさい、この永遠の対立を、奈落のゴミ箱で解決する、つまり、第三の道を探ってるということにもなるなと、そんなことを思いました
その第三の道は、誰もが笑ってしまうような道である、ということが、ファンセオリーの底力、限りないパワーを感じました
正しさではなく楽しさで解決するファンセオリー・ノベーション
そんなことを思いました
参考:本: 言葉でアイデアをつくる —問題解決スキルがアップする思考と技術 2024年3月12日 著者 仁藤安久 発行所 ダイヤモンド社