●地域経済統合は究極の国際協力の姿である。国民国家が現代の国際関係の基本的アクターとして現存する中、欧州においては共同市場(Common Market)を石炭や鉄鋼という戦略的物資の分野でまずスタートさせ、その後これをモノ・サービス・資本・人の移動といった経済全体に広げてきた。まさに経済主権という国民国家の基盤を乗り越え、持続的繁栄と戦争なき安定を構築する試みであったと言えよう。●本講義では、国際協力を特に東アジアにおいて進めていく上で欧州統合の経験から何を学ぶことができるかをEUの発展を振り返りながら学習する。