わが国の環境政策は公害問題への取組から、循環型社会形成推進、そして地球環境問題への対応と、問題の複雑化に応じ、その理念や原則を発展させ、各種政策手法を適用して進められてきた。本講義では、先ず環境問題の変遷と環境政策の発展の歴史を振り返り、環境政策の基本的枠組である環境基本法の基本理念や諸原則、同法の枠組の下で実施されているさまざまな環境政策の手法を学ぶ。その上で、循環型社会や低炭素社会の形成を事例に、これらの実現のための各種政策手法の選択と適用の実際、およびこれらの諸政策手法を組み合わせた政策ミックスの進化の過程を検証し、複雑化する環境問題に取り組む政策のベストミックスを構成するための基本的な視点を獲得することを目指す。