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ぜいたくをせず、倹約に努めて質素に暮らすことを「つホニャララしい」って言うんですが、 ホニャララのところに何が入るかわかりますか?
「つつましい」って答えた方が多いかも知れません。「つつましい」は「慎ましい」と書きます。この動詞「慎む」は「人目をはばかる」「気兼ねする」「つつしむ」という意味があるんです。
「包装紙」の「包」と同じような意味です。「つつんで周囲に見せない」という感覚が基本にあります。だから「つつましい」は、「思慮深く物静か」「控えめ」という意味になるんです。
一方、倹約するという意味では「つましい」ということばがあるんです。これは漢字で書くと「倹約」の倹を使った「倹しい」と「倹約」の「約」を使って「約しい」という二通りの書き方があります。まさに「倹約」なんです。「爪に火を点す」ということばのように、ろうそくの代わりに爪に火をつけたりして倹約するっていう感じです。でも、「つつましい」と「つましい」の境がそうはっきりしていないんじゃないか、という見方もあるんです。
ぜいたくをしない生活、つまり、「つましい生活」は、華美ではない「つつましい生活」でもあるとも言えます。イメージとしては、どちらも派手ではなく質素だという点では一致しています。だから「つましい」と「つつましい」を混同するのもわからなくはないですね。もっとも、お金がたくさんあっても「華美ではない生活をしている」場合もあるので、この場合は「外に見せない」という意味で「お金があっても慎ましい生活をしている」と言えますもんね。
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