EP#85「蛙化現象」。その言動が愛を凍らせる! 真面目に生きている蛙さんには、なんとも気の毒な話ではあります
Listen now
Description
先日、新聞の投書を見ていたら、定年退職をして再雇用で働いている夫をねぎらおうと、日帰り旅行をした妻の話が載っていました。妻は夫のために、電車の時間や好物の料理などを調べたんだそうです。 ところが、夫は大荷物で出かけ、予定がどんどん遅れて、あげくに途中で立ち小便をするわ、電車では大きないびきをかいて寝てむせこむわ、の残念オンパレードだったそうです。ホテルでお茶をしようと思っていたら、安いチェーン店に変えられたり、夫は地酒を買うけど妻の欲しいものは聞かない。おでん屋で追加注文したものは全部夫が平らげる。それで蛙化してしまったんだそうです。 なんで蛙なんだろう、と調べてみたら、グリム童話の「かえるの王さま」に由来する心理用語なんですね。2004年に跡見学園女子大学の藤澤信介先生が「女子が恋愛過程で遭遇する蛙化現象」という論文から生まれた言葉なんです。 いまは、投書の例にあるように、 ある行動や態度を見て、好きだった相手が嫌いになるという意味で使われるようになっているようです。たとえば、レストランにいって注文するときに横柄な態度を取るとか、食べ方が汚いとか、マナーが悪いとか、そういう現場に立ち会って、スーッと冷めてしまうというときに使うようです。これは、わかる気がしますね。 2023年のユーキャン新語・流行語大賞のトップテンにも入っていたらしいんです。これ、見落としていました。投書に登場した定年退職の夫も、気を許せる妻の前で見せる一種の甘えなのかも知れません。妻も夫には悪気はないのだろうと思いつつ、この日一日で30回ほど蛙化したそうです。 蛙さんには、何とも気の毒な話ではあります。 ◇◇◇ 1月17日に『伝わる文章がすぐ書ける 接続詞のコツ』(前田安正著、すばる舎)が発売されます。 また、『注意ワード・ポイントを押さえれば文章は簡単に直せる』(前田安正著、東京堂出版)です。絶賛発売中です。 Amazonなどでお買いも求めいただけます。 ◇◇◇ 「ことばランド」では、取り上げてほしい「ことばの疑問」や感想をお待ちしています。お便りフォームからお願いします。 ↓ ↓ ↓ https://forms.gle/v4CNrTaroSPYuMgj6 未來交創(前田安正)HP https://kotoba-design.jp/ 江川みどりHP https://www.midori-egawa.com/
More Episodes
リーダーになるのは、大体決まっているのだそうです。これは、動物の話なんですが、その群れのボスになるのは、体が大きいとか力が強い、という要素があるものの、その個体がもっている雰囲気なのだそうです。これは案外、人にも当てはまるような気がします。何となく真ん中にいる人っているでしょ。どんなに勉強ができても、リーダーに向いていないタイプっていうのも、経験上、理解しやすいところです。 世の中はリーダーになれる人を求めがちだけど、リーダーに向いていない人が、ダメだというわけではありません。補佐・参謀向きの人、交渉に長けている人、特筆するところはないのだけれど、人を魅了してリーダーになる人っているで...
Published 10/28/24
この番組では、就職・転職に役立つ内容、と言っているのですが、実は就職と転職というのは、意味合いが大きく違うんですよね。新卒での就職は、基本的に初めて働くということが前提になっているので、それまでの経験というのは、採用側としては、ある程度予想がつきます。ところが、転職の場合は、数年間社会に出ていたので働いたときの実績が問われてきます。 そのため、就活の場合は、いわゆる「伸びしろ」を企業は見ているんです。これを見定めるのは、ものすごく難しい。面接などでもしっかり準備して、そこをピークに持ってくるので、判断基準があってないようなものなんです。学生時代の成績は一つの判断材料になりますが、それと...
Published 10/21/24