EP#119「さまざまありがとうございました」丁寧なのに違和感! このわけ、わかりますか?
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新装開店してから初めて、ラジオネーム「みかん」さんからお便りを頂戴しました。ありがとうございます。今回は、「みかん」さんからのお便りをもとに考えていきます。 「みかん」さんのお便りを紹介します。「はじめまして、いつも楽しく学ばせていただいております。 最近入社してきた若い子が[様々ありがとうございます]という言い方をするのですが、この使い方にとても違和感を感じています。これは間違った言い方でしょうか?ご意見聞かせてください」という内容です。 採用担当者や会社関係者などにお礼をするときに、迷うかもしれませんね。たとえば、「いろいろ(色々)、ありがとうございます」だとどうでしょうか。「いろいろ」を辞書で見ると、「さまざまに。あれこれと」と書いてあります。つまり「いろいろ」と「さまざま」は、ほとんど同じ意味なんです。 ところが、「いろいろありがとうございます」には違和感はないけれど、「さまざまありがとうございます」には違和感が生じるんですね。 「いろいろな本がある」というと、数量に重きが置かれているんです。そのため、「いろいろありがとうございました」は、ありがたいことがたくさんあったことに対しての感謝です。「いろいろ(と)考えてみる」「いろいろ(と)ご面倒おかけしました」も、「たくさん」という数量的な概念なんです。 「さまざま」には「それぞれ異なっていること」という意味があることなんです。「さまざまな本がある」というと、本の種類・ジャンルに重きがおかれた言い方です。そのため「さまざまありがとうございます」は、どういった種類・ジャンルに対する感謝なのかということを示さないと、落ち着かないんですね。 「いろいろお世話になりました」「いろいろと楽しかった」という言い方を「さまざまお世話になりました」「さまざま楽しかった」と言うと、同じような違和感が出てくると思うのです。 日常の生活を送っているときに、いちいちその種類やジャンルを指摘しながら感謝したり感想を言ったりしません。「いろいろ」は数量を「ザックリ、たくさん」という感覚で使われるものなんです。「さまざま」は「種類・ジャンルがたくさん」という中身を言うものだと覚えておくといいと思います。だから、みかんさんの言語感覚は正しいのだと思います。「みかん」さん、違和感の源がご理解いただけましたでしょうか。 ◇◇◇ 就活する方の悩みや採用側の悩みなどがありましたら、「ことばランド」番組概要欄の「お便りフォーム」からお送りください。番組の感想などもお書きいただけると嬉しいです。 ↓ ↓ ↓ https://forms.gle/Qbhg8cHCUtym2nRu8 また、ApplePodcastやSpotifyでお聴きの方は、評価やレビューを書いていただけると嬉しいです。皆さんの評価で多くの人にお聴きいただけるようになります。どうぞ宜しくお願いします。 未來交創・前田HP https://kotoba-design.jp/ 江川HP https://www.midori-egawa.com/
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