中華文明の思想は、日本を含む東アジアに大きな影響を与えてきた。その歴史や思想を概観することは、地域研究をする上で有用であろう。本講義では、儒家思想の形成と展開を軸に進めていくが、その際には、当時の思想がなぜその時代に発生したのか、その歴史的意義について、講義担当者なりの考えを付加する。また、日本における儒家思想の受容についても少し言及する予定である。近年は現代思想に対する関心が高まっているが、中国古典は現代的課題を語ることばを持っているか、本講義を通じて考えていただければ望外の喜びである。受講者に前提知識を有していないことを前提に進めていくので専門分野に全く関わらない人の受講も歓迎する。