Description
序)預言者エレミヤの言葉
・エレミヤの語った言葉は、多くが痛みと悲しみを伴うものだった。
・「痛い言葉」の中に、確かに生きている神のメッセージが届けられている。
1)欺きのただ中で
・8 章では、イスラエルの民の滅びの宣言がなされ、その民の負う傷を思い、エレミヤも傷つきうなだれていた。9 章はその続きであり、エレミヤの涙の預言が続く。
・なぜイスラエルの神、主はご自身の民であるイスラエルを滅ぼそうとされるのか。その理由の1つは欺きが満ちていること。
・「欺き」の内実は、主を知ろうとしないことにあった。民は主を知っているつもりであったが、目に見える強い国に信頼を置いていて、主に信頼することをせず、主に耳を貸さない民となっていた。
2)主の嘆き、民の嘆き
・民の滅びの理由のもう 1 つは、主の律法を捨てたこと。その結果「バアルの神々に従って歩む」ことになった。
・律法は民を懲らしめるため、縛り付けるための約束事ではなく、祝福を与えるためのものだったのに、民は律法を捨てた。
・「バアルの神々」に対して「万軍の主」の御名が持ち出される。
・「泣き女」とは葬儀の場で嘆き悲しむプロの職業人。
・「よく考えて」との言葉の裏に、主の真実、優しさがある。この状況をプロの力を借りてまで嘆き悲しめと言われる。結果から逃げ出さないで、よく考えよ。目一杯嘆け。
3)主の語り掛け、民の誇り~主を「知る」~
・エレミヤの言葉は、主の宮の門で語られた。そこには地位ある人も、知恵や富をもった人たちも来ていたが、そこで誇るべきことは「主を知っていること」のみだと語られる。
・「知る」…ヘブル語「ヤーダー」は、知識として知っているよりも深い言葉で、個人的に人格的に知っている、親密さも含めた言葉。
・主を知らずにいることは、悪から悪へ突き進ませる。主は「地に恵みと公正と正義を行う者」である。
→私は主を知っているのだろうか?と問いかけ、探られる。
結)「よく考えて、主を知っていることを誇りに」
・主を知らない生活環境では、欺きや悪事があることは仕方ないこととも言える。傷つき、傷つけられることが繰り返される時、嘆いてよい。
・主の恵みと公正、正義の一端を担うことへと私たちは招かれている。