Description
最近、都市部でグレーの舗装をよく見かけるようになったのは、「ヒートアイランド現象」を防ぐためです。ヒートアイランド現象とは、都市の気温が郊外よりも高くなることを指します。都市では、道路や建物が増えることで、太陽の熱が蓄積されやすくなります。特に、黒いアスファルトは夏になると表面温度が約60℃に達し、街全体が暑くなります。
これを防ぐために、グレーの舗装が使われ始めました。グレーの舗装には、「遮熱性舗装」と「保水性舗装」の2種類があります。遮熱性舗装は、表面に赤外線を反射する樹脂を塗ったり、遮熱モルタルを使ったりして、熱を反射させる仕組みです。一方、保水性舗装は、内部に雨水を保ち、水が蒸発する際の気化熱で路面温度を下げます。
ただし、保水性舗装は効果が3日程度しか持続しないため、定期的に水を撒く必要があります。一般的には、遮熱性舗装が多く使われています。
東京都では、東京オリンピックのためにグレーの舗装道路が増え、2023年3月末時点で約190kmにわたり施工されています。これにより、都市部の猛暑が少しでも和らぐことが期待されています。