Episodes
「絶対に枯れないと言われて買った観葉植物。なのに枯れてしまった。 園芸店に抗議に向かった美結。現れたのはちょっと変わった園芸店の店主、智。そして、智が美結に伝えた事とは・・・美結の枯れた植物は・・・」
Published 12/23/22
「都会の夜の片隅で生きる、しがないバーテンダーの私。 今夜のお客様は若いOLの紗里さん。 生真面目すぎる私のトークに退屈気味の彼女。 『何かもっと面白い話ししてよ』 『じゃあ、これを』 今夜のとっておきを私はカウンターに置く。 『夢を食べる伝説の動物、獏の手です。 この手の上で願いをかけると、叶えてくれるそうです。但し願いは3つまで…』 1つ目は私、2つ目は彼女、そし3つ目は私が願いをかける事になったのだが…」
Published 12/16/22
笹原ゆり子が戸惑っている。 異国情緒ありすぎの日本語学校に。 「サンモナンソ・テンナイセンジ」と名乗る 銀色で細長い宇宙人に。 そして何より、臆病な自分に。 笹原ゆり子は、おそれと不安を手放して 念願の教師になれるのか? 日本語が妙に達者な謎の宇宙人の正体とは?!
Published 11/25/22
キラキラ恋愛体質でちょっと浮気性の怜美と地味な修は、20歳の恋人同士。 成人式の日、怜美は修に別れを切り出す。 でも怜美は修に提案する「トモダチとして、20年後の成人式の日に会おう」と。 40歳になって、トモダチとして再会する二人。 修は怜美にプロポーズを持ちかけるが、怜美に「20年後の成人式の日まで」と、持ち越されてしまう。 そして、その20年後・・・
Published 11/11/22
ここは「貴方の後悔を買い取る店」―脳科学者でもある店長の浅野は買い取った後悔をカプセルに詰めて研究対象にしている。“ピアニストになる夢を諦めた”…買取価格2万円。“夫との結婚を後悔している”…買取価格0円(希少価値ゼロ)。ある日この店を二十歳の優花が訪れ、自分の後悔を百万円という高値で売りたいという。彼女は店にある様々な「後悔の音」を聴き、そして自身の後悔を浅野に告げる。その内容とは…!?
Published 11/04/22
また、金木犀が咲き始めてしまった。 もう、ひきこもりから抜け出せないかもしれない…。 秋になると生活リズムが乱れてしまう由季にとって、金木犀は不穏な季節の始まりを告げる花。不登校が続く高校生活は、自暴自棄を膨張させるだけの日々だった。 義務的に通うカウンセリングの帰り道、突然、車椅子の男性から声をかけられる。 過去のひきこもり経験を語る男性に、「あなたの願いを叶えてあげる」と言われた由季は…。
Published 10/14/22
昼下がりの喫茶店。久しぶりに再会することになった、ロストジェネレーション世代の 亜希と、5年間引きこもり続けている友人の淳。 もうひとりの友人・聡を待つ間に交わされる会話は長い空白を埋め、やがて世代論と 不安と絶望の時代をどう生きるか──という議論へと発展してゆく。 聡が到着したとき、亜希が知ることになる、淳の切なくも悲しい真実とは……。
Published 07/29/22
教え子と不倫し、高校を追われた奥田賢治(36)は、現実から逃げ、さまよった。 たどり着いたのは、とある公園のベンチ。ここからは、昨日までの職場の高校が見える。 呆然としベンチに座っていると、高校の生徒、川崎千紘(18)が隣にやってきた。 千紘も教師と不倫していたが、捨てられ、その腹いせに20年前自殺したことを告げる。 賢治は助けを求めたが、誰にも届かない。いつの間にか千紘は消えていて、 携帯の着信だけが鳴り響いており…
Published 07/15/22
西本八重子(32)は、夫の浮気を疑っている。 夫に言い出せないまま、生活に追われる日々。 ある日、八重子の元に「幸せ配達人」(55)という、怪し気な男がやって来る。 なんでも、幸せを届ける仕事をしているという。 八重子は最初、断わるつもりでいた。 が、セールストークに乗せられ、夫への疑いを打ち明けてしまう。 男は、幸せの代償として、大切な物を差出せと迫る。 果たして八重子は幸せを手に入れることができるだろうか…。
Published 06/24/22
晴女と晴男の天沢姉弟。 姉、由佳の悩みは「雨降らない」こと。お陰で、二万もした一目惚れの折畳傘を使う機会が一切ない。 弟の泰仁は、由佳が惚れた傘を売る傘工房の店長。イケメンでモテる泰仁の人生には、常に女性の影がついて回る。 泰仁が傘工房の店長になる道筋にも、「雨の人」という不思議な女性の存在があった。 「雨降らない」とグチる由佳に、泰仁は雨の人との大切な思い出を語り始める。
Published 06/10/22
とある郊外にある洋食屋さんの隅っこにも、春が来た。だいだい色の看板が立つ植え込みに、今年の春も、たんぽぽが咲いた。「看板さーん!」「今日、咲いたの? たんぽぽさん」と、お互い声を聞けてうれしい再会。……のはずが「看板さん、元気がない?」と思うたんぽぽ。 仲むつまじく洋食屋さんを見守ってきたたんぽぽと看板にも、世の中を襲った恐ろしい風邪の影が、忍び寄ってきていた。
Published 04/29/22
保険会社に勤める井上良介は、仕事も人生も失敗ばかりの冴えない男。 そんな良介の前に、見知らぬ美女・高月美玲が現れ、「やっと会えた」と、いきなり抱きついてきた。戸惑う良介に、「あなたは、私の運命の人」と、告げる美玲。 青山の豪邸に住み、人生勝ち組のような美玲だが、なにやら秘密があるようで……。 果たして、良介にとって美玲は、「運命の人」なのか?
Published 04/15/22
少しでも優しくされると、涙が堪えきれなくなる夜がある。 今日も課長の理不尽な叱責に落ち込む新人OL・さち。雪の夜、彼女が出会ったのは、モフモフのクマが営むパティスリーだった。クマが無骨な手が作る、甘く優しいドーナツを食べたとき、さちが知ったこととは……?
Published 03/27/22
駅前商店街の外れにある「花屋さくら」。店主の佐倉実憂は、気になっていた。かれこれ三年近く、花を買いに来るサラリーマン風のその男性。彼は毎月、必ず十八日に来店する。 桃の節句も過ぎた三月十八日。いつものように訪れた彼に、実憂は思わず問いかけた。「なぜ毎月十八日に」。「母にとって忘れてはいけない日」との彼の答えに、実憂の悲しい記憶が蘇る。十八日は、実憂にとっても忘れられない日だった。
Published 03/12/22
ある日、氷室詩織(20)は大学の研究室が行う実験に参加する。その実験には詩織が好意を寄せる向井拓斗(20)も参加していた。 主催者である柿谷幸助(26)によると、この実験はリモートワークにおける生産性向上の要因探索が目的という。その内容は上司役と部下役に分かれた参加者が別部屋に入り、部下の成果が基準を満たさない場合、上司が電気ショックの罰を与えるというものであった。 詩織は上司役、向井は部下役に割り振られ実験が開始する。暫くすると罰を与える毎に隣の部屋にいると思しき向井の様子がおかしくなる。詩織は異常事態ではと柿谷に訴えるが、柿谷は実験を続けるよう冷徹に指示する。遂に詩織は最大の電気ショックを与え、隣の部屋から向井の声が聞こえなくなる。 呆然とする詩織に対し、柿谷は漸く実験の真の目的と向井もサクラであることを明らかにする。向井の無事にホッとする詩織であったが、柿谷が告げた最後の言葉に戦慄する。
Published 02/25/22
高校時代の親友、美咲が自殺⁉ 悲しむ弥生に同棲中の恋人、和樹は現場付近で目撃され たという怪人の話をする。見た目は恐ろしく、体はボロボロで、歩くたびに杖の音がコツ ……コツ……コツ。 怖がる弥生をなだめ、和樹は寝てしまうが、その時部屋の外から杖の音が……。 恐怖で取り乱した弥生は、和樹に自分の秘密を打ち明ける。全てを受け入れ、共に歩む決 心をする二人。しかし、そんな二人にさらなる恐怖が襲いかかる。
Published 02/11/22
世の中には2種類の仕事しかない。人に喜ばれる仕事か、喜ばれない仕事かだ。 僕の仕事は人に喜ばれない……クレジットカード会社のコールセンターで、お客様に支払いの催促をする仕事だからだ。 でも、その日電話した彼女は違っていた……
Published 01/21/22
代々木上原駅、午前八時。通勤客で混み合うホームで、直樹は懐かしい横顔を見つけた。大学時代の恋人、麻衣だった。 十五年ぶりの再会。 直樹は麻衣に手を引かれ、職場のある都心とは逆方向の各駅停車に飛び乗った。 二人は学生時代を過ごした豪徳寺駅で降り、思い出の場所をたどっていく。 十五年で変わったもの。変わらないもの。 そして、最後に直樹が見つけた変わらぬ大切なものとは・・・
Published 12/17/21
雑誌編集者、川瀬清恵の正体はカワウソである。化けタヌキならぬ化けギツネならぬ化けカワウソなのである。 深夜のオフィスで1人、こっそりと翌朝の締め切りに向けてサービス残業をしていた清恵だったが、うっかり居眠りをしてカワウソの姿に戻ってしまい。上司の山根に正体がバレてしまう。2人は果たして朝の締め切りに間に合うのか――?
Published 11/26/21
自分の気持ち、気づけてますか? 感染症拡大する中、東京で大学生活を続けている正晴。 最近なぜか、川沿いの土手に来ることが多くなっていた。 そんなある日、地元の同級生、綾香からの電話が…。
Published 11/12/21
車内に響くウインカーの音。 3年ぶりに、偶然、再会した元夫婦の沙希と圭太。 圭太は、家まで沙希に送ってもらう事に。圭太は二人が共に暮らした マンションに今も一人で住んでいた。 走り出した車の中、二人の気持ちが道を迷うように行ったり来たりすれ違う。 マンションに着いた二人。 揺れ動くそれぞれの思いがたどり着くその行き先は……。
Published 10/30/21
深夜の電気もついていない、真っ暗なクリニック。無職独身で何の取り柄もないが幸せな持田ワタルと、彼の幸せな血を抜いていく幸せな黒岩ななみ。 二人が感じる「幸せ」は、どこへ向かうのか……。
Published 10/15/21
仕事帰りの奈津は、駅のホームで終電を待つ。 が、奈津の前に現れたのは、いつもの各駅停車ではなく、幻と言われる水槽列車だった。 車掌だと名乗る男の誘いに、奈津は列車に乗り込むが……。
Published 09/24/21
着ぐるみの中に入っている人やアニメのキャラクターを演じている声優のことを意味する言葉__中の人。 ある日、恋人の家を訪ねた加奈を出迎えた可笑しな着ぐるみ。 その中から聞こえたのは、着ぐるみのバイトを始めたと楽しそうに話す彼の声だった。 だが、彼には誰にも言えない秘密があった……。
Published 09/10/21
五月は酸いも甘いもかみ分けてきた、アラフォー独身の翻訳家。コーヒータイムの暇つぶしに マッチングアプリを始めたところ、10歳サバ読みして出会ったのは、実年齢よりも年下の恭平 。ただ、彼のプロフィール欄にある顔写真は、なぜかあんぱん。五月が若く加工した自分の顔 写真を棚に上げて突っ込むと、恭平は思いがけない反応を示して……。昭和風味のポンコツ男 女が織りなす、ちょっぴり切ない大人のラブストーリー。
Published 07/23/21