本講義では、日本国憲法を中心とする法領域を扱う。憲法は、国家統治の組織と作用に関する基本法であり、国家権力の行使を抑制すると同時に正統化する機能を果たす最高法規である。要は国家の枠組みを「かたちづくる」法である。憲法を理解することは、法学を専攻する者のみならず、およそ学究活動をする者にとって不可欠といえる。この講義を通じて、伝統的な憲法学体系に依拠した学説・判例の理論を学び、憲法の理解を深めるとともに、法学的視点から現代的な国家の諸課題について考える力をつけてもらいたい。 「憲法(人権)」では、主に基本的人権の意義と限界について講義する。憲法の意義、人権の主体・種類・限界などについて体系的に解説し、人権という「ありがたい」言葉に振り回されることなく、自分らしく生きるための一手段として活用できる素養を身につけるための基本的視点を示していく。