認知科学は、人の心の科学的理解にとって大きな進歩をもたらし、近年は脳内神経メカニズムまでが認知科学の射程となった。その発展に伴い知覚、記憶、言語、意思決定、感情などの認知・神経機構についての理解が進んだが、同時にそれぞれの研究分野が細分化され、人の心の全体像が見えにくくなっている。本講義では、認知科学のはじまり、発展の中で起こったいくつかの重要なパラダイムシフトに焦点を当て、担当者[安西・今井]、数名のゲストによる講義により、パラダイムシフトが起こった背景と最先端の研究に至る展開を紹介する。さらに、各テーマについて、担当者、ゲスト、受講者を交えたディスカッションを行い、認知科学の基本的な考え方、研究手法についての理解を深めるとともに、改めて人の心の理解のための認知科学の成果を俯瞰的に見つめなおし、各自が将来の研究の方向性について考える。講義、ディスカッションは日本語で行う予定だが、履修者の希望、ゲストの都合などで一部を英語にすることもありうる。