“小生が週10掛け持ちアルバイターの頃に遡る。早朝にビジネスホテルの朝食ビュッフェでバイト、朝から夕方までカフェでバイト、ディナーの時間にラーメン屋でバイト、帰宅してシャワーを浴びたら華美なドレスに着替えて紅を引く。明け方まで殿方と酒を飲み帰路につくなり水を飲みまくりアルコールを抜く。きゅうりとスイカを食べまくり、とにかく排出するのだ。経口摂取した水分は、3時間以内に尿になることをご存知だろうか。とりあえず飲んだら出す。むくみ対策にも良いだろう。 そんな生活が数年続いた。何においても、歳を重ねる毎にハイレベルなことを求められる。自分はただのバイトなので、と思いつつも比較されることに苦しんでいた。優れている方に選ばれないとものすごい劣等感で押しつぶされそうになる。一部のコミュニティでは、いくらハイスペックな女として生きようが年齢───若さ───に勝るものはない。歳を取った男───まだ老人ではない───からすると、若さが全てなのだ。自分のことは棚に上げやがって。ある日の帰路、早朝にも関わらず太陽が燦々と顔を出し鳥のさえずりが響いた瞬間、全てがどうでもよくなった。 小生は走った。走り続けた。親指で運命を選択せず、自身の足で出会いたい。必死に走ること40秒、喉の奥がヒュっと貼り付き、ハッと目を見開いて咳き込んだ。生きている。 丁寧に生きるとはどういうことか。それは何事も細かく考えよう、などとは到底かけ離れたものだ。丁寧に生きるとは、絶対に許さないこと。 そろそろ眠いし尿意があるので、もうここらで終わりにしようと思う。絶対に許さない。”
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06/26/23