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第二帖「帚木」⑩/うるわしき人/方塞り/方違え/紀伊守/中納言兼衛門督/伊予介/藤壺との秘密/光源氏の要求/貴族社会の参入障壁/男たちの眼差し/中将をお呼びになったものですから/鬼神も荒だつまじき/「をかし」な女/匂いでわかる/かようなる際/なよ竹のかぐや姫/反実仮想/つれなきを恨みもはてぬしののめにとりあへぬまでおどろかすらむ/身のうさを嘆くにあかで明くる夜はとりかさねてぞ音もなかれける/彦星に恋はまさりぬ天の川隔つる関を今はやめてよ
Published 08/21/24
Published 08/21/24
義父、師輔の死/帝と藤原北家/菅原道真の怨霊/孝行息子の譲位/兼家の姉、安子/ナチュラルボーン権力者/兼家の挫折/章明親王との贈答/催馬楽『夏引』/二、三人どころの話じゃない/九条殿の女御殿の御方/有職故実/小野宮流と九条流/源高明と愛宮/村上天皇の崩御/冷泉天皇包囲網/朱雀天皇の忘形見/皇太弟問題/登子との交流/安和の変/蜻蛉日記の政治性/伊尹独走体制/次男兼通/最後の除目/寛和の変/藤原道綱/愛と命を賭けたロマンティック大冒険/【文字起こし】https://note.com/vast_godwit263/n/n519d1de7ed74
Published 03/10/24
私は気づいたぞ/疑はしほかに渡せる文見ればここや途絶えにならむとすらむ/三夜連続の不在/なげきつつひとり寝(ぬ)る夜のあくるまはいかに久しきものとかは知る/移ろいたる菊/げにやげに冬の夜ならぬ真木の戸もおそくあくるはわびしかりけり/時姫との贈答/そこにさへかるといふなる真菰草いかなる沢にねをとどむらむ/この女なに言ってるんだ/真菰草かるとはよどの沢なれやねをとどむてふ沢はそことか/四ヶ月後の再犯/吹く風につけてもとはむささがにの通いし道は空に絶ゆとも/色変わる心と見ればつけてとふ風ゆゆしくも思ほゆるかな/町の小路の女の出産/呆れ返るほど最悪だ/裁縫の名手/町の小路の女の零落/胸がスッとした/いま来むよ/虚しくても書かずにいられなかったこと/時代錯誤の超大作/堤和博『和歌を力に生きる 道綱母と蜻蛉日記』/文字起こしhttps://note.com/vast_godwit263/n/n6de3a349c5ba
Published 01/13/24
ルール無用の求婚手続き/夢見る文学少女/しょーもない紙で字も汚くてとにかくめちゃくちゃみすぼらしかった/音にのみ聞けば悲しなほととぎすこと語らはむと思ふ心あり/歌を咎める/彼女があえて書かなかったこと/夕ぐれのながれくるまを待つほどに涙おほゐの川とこそなれ/技巧を尽くした後朝の文/一晩はいいけど二晩は許せない/もっと和歌で繋がりたい/父の離京/君をのみたのむたびなる心にはゆくすゑ遠く思ほゆるかな/われをのみたのむと言へばゆくすゑの松の契りも来てこそは見め/「末の松山」って何?/契りきなかたみに袖を絞りつつ末の松山波越さじとは/貞観地震/君をおきてあだし心をわがもたば末の松山波も越えなむ/変わらぬ愛/出産後の思いやり/町の小路の女
Published 08/21/23
命はとらずに苦しめたい/摂関家の貴公子、藤原兼家/受領階級、藤原倫寧の娘/藤原冬嗣の子孫たち/尊卑分脈/本朝第一美人三人内也/大鏡/きはめたる和歌の上手/男性貴族の先例としての日記/ためしにもせよかし/遺書を書くこと、人生を振り返ること/和歌の名手だからこそ至った境地/角川ソフィア文庫/川村裕子『平安女子の楽しい!生活』/新日本古典文学大系、新編日本古典文学全集、新潮日本古典集成/増田繁夫『蜻蛉日記作者 右大将道綱母』/長門千恵子『蜻蛉日記の表現と構造』/お詫びと訂正 公開当初の音声では、「角川ソフィア文庫の蜻蛉日記には作品解説がない」という旨を発言しておりましたが、あれは誤りです。大変申し訳ありませんでした。現在は音声を差し替えて訂正しております。【文字起こし】https://note.com/vast_godwit263/n/n51ef9db42342
Published 08/15/23
第二帖「帚木」⑨/小粋な平安男子ジョーク/吉祥天女/日本霊異記/ミス仏教/薬師寺吉祥天像/頭中将/博士の娘/我が両の途歌ふを聴け/にんにく臭い女/ささがにのふるまひしるき夕暮れにひるますぐせと言ふがあやなさ/蒜(ひる)/あふことの夜をし隔てぬ仲ならばひるまも何かまばゆからまし/例外的存在としての中宮定子/高階成忠/忘れじの行く末までは難ければ今日を限りの命ともがな/円融天皇/和泉式部/赤染衛門/出羽弁/伊勢大輔/左衛門の内侍/日本書紀講師の女房様/彰子と二人で秘密のレッスン/新楽府/「ひけらかすこと」への忌避/山本淳子/【文字起こし】https://note.com/vast_godwit263/n/n11e229749c6d
Published 07/27/23
第二帖「帚木」⑧/都合のいい恋人としての女房/左馬頭の助言/折らば落ちぬべき萩の露、拾はば消えなむと見る玉笹の上の霰/中将の体験談/右大臣家の怒り/山がつの垣ほ荒るともをりをりにあはれはかけよ撫子の露/あな恋し今も見てしが山がつの垣穂に咲ける大和撫子/昔物語/藤原道綱母『蜻蛉日記』/養女が欲しい/源宰相兼忠の娘/おきそふる露に夜な夜な濡れこしは思ひの中にかわく袖かは/母たちの期待/昔物語のやうなれば皆泣きぬ/消える女と手放される娘/咲きまじる色はいづれと分かねどもなほ常夏にしくものぞなき/うち払ふ袖も露けきとこなつに嵐吹きそふ秋も来にけり/運命の母娘/【文字起こし】https://note.com/vast_godwit263/n/n85a460e3634d
Published 07/16/23
第二帖「帚木」⑦/指物/墨書き/嫉妬深い女/指を噛む/手を折りてあひみしことを数ふればこれ一つやは君がうきふし/うきふしを心ひとつに数へ来てこや君が手を別るべきをり/いといたく思ひ嘆きて、はかなくなり侍り/竜田姫/織姫/たはぶれにくゝなむ、おぼえ侍りし/ありぬやとこころみがてらあひみねばたはぶれにくきまでぞ恋しき/浮気な女/月、菊、紅葉、笛、琴/ザ・平安貴族の恋愛/琴のねも月もえならぬ宿ながらつれなき人をひきやとめける/木枯らしに吹きあはすめる笛のねをひきとどむべき言の葉ぞなき/【文字起こし】https://note.com/vast_godwit263/n/n5657d1069213
Published 06/10/23
第二帖「帚木」⑥/もう性格以外どうでもいい/愛の駆け引きとしての出家/尼削ぎ/葵上の兄としての中将/光源氏の狸寝入り/蜻蛉日記/藤原道綱母/女房じゃない女性の文学/藤原兼家/最初の妻、時姫/道綱の元服/これで最後かもしれない/愛されたいと望み続けること/受領の娘/出家未遂事件/若い二人の思い出/疲れ果てて泣き出す道綱/藤原道隆の来訪/あまがえる/きはめたる和歌の上手/息子のラブレター母親が書く/和歌を作れるということ 【文字起こし】https://note.com/vast_godwit263/n/n62b8e7bf3d2e
Published 03/19/23
第二帖「帚木」⑤/平安時代の婚姻制度ってどうなってたの問題/高群逸枝『招婿婚の研究』/一夫多妻妾制/妾(しょう)/一夫一妻多妾制/三つの論点/工藤重矩/フィクションから制度を読み取る危うさ/家の内のあるじ/左馬頭の衝撃発言/葵の上って光源氏の正妻なのか問題/モテる女性の手練手管/過度の「もののあはれ」は邪魔/伊勢物語「筒井筒」/幼く素直な妻と、無愛想だけど有能な妻 【文字起こし】https://note.com/vast_godwit263/n/nc2ba32f0eb3b
Published 03/14/23
第二帖「帚木」④/中将の不本意/新日本古典文学大系/新大系・旧大系/新潮日本古典集成/新編日本古典文学全集/古註/思いがけない出会いが良い/藤式部丞の姉妹/光源氏の見解/束帯・衣冠・直衣/女にて見奉らまほし 【文字起こし】https://note.com/vast_godwit263/n/n684def7a4343
Published 03/05/23
藤原為時の話/中納言兼輔の孫/菅原文時/菅原道真の孫の弟子の娘/師貞親王の副侍読/蔵人/受領就任への王手/陣定/巡任/花山天皇の退位/紫式部の少女時代、突然の父無職/散位/位録/一度きりの晩婚/返り咲く為時/今昔物語/古事談/十訓抄/除目/申文もてありく/歌徳説話/淡路守から越前守へ/大江匡衡/出世しすぎず人生全うした道真/赤染衛門の夫/なんとかしてやりたいやつリスト/三蹟が一人にして一条朝の能吏、藤原行成/『権記』/藤原実方/職場の同僚のズボン無理矢理脱がせて捨てる/蔵人頭への抜擢/受領階級の娘、紫式部 【文字起こし】https://note.com/vast_godwit263/n/n8da53955a5a0
Published 02/26/23
第二帖「帚木」③/「きざみ」と「しな」/雨夜の品定め/高貴すぎて知らない世界/零落と成り上がり/上達部(かんだちめ)/位階/貴族=五位以上/三位(さんみ)/殿上の間/昇殿/参議/公卿/左馬頭と藤式部丞/左馬寮右馬寮/式部省/藤原為時/四位の中将、五位の左馬頭、六位の式部丞/どっちも中流/受領(ずりょう)/国司/守(かみ)、介(すけ)、掾(じょう)/遙任(ようにん)/公地公民/人頭税/制度破綻/人頭税から地税へ/受領=徴税請負人/受領=代表的中流階級/受領は儲かる/英才教育と玉の輿/藤原道長の母、時姫/摂津守藤原中正/中宮定子の母、高階貴子/儀同三司母/藤原道隆/高階成忠/受領の娘、紫式部/笑う光源氏、心得ぬ発言 【文字起こし】https://note.com/vast_godwit263/n/n8c83528fd0de
Published 02/19/23
第二帖「帚木」②/五月雨と物忌/宮腹の中将/義兄であり親友でありライバル/男同士の女性談義/かたかどもなき人はあらんや/上流中流下流/吉村研一「源氏物語において『ほほゑむ』の果たした役割 『ゑむ』と『ほほゑむ』の違い」/ほほゑむ人としての光源氏 【文字起こし】https://note.com/vast_godwit263/n/n614d80d1fbd0
Published 02/12/23
第二帖「帚木」/現実の歴史の延長線上/「語り手」の問題/最強無敵のプレイボーイ交野の少将/兵衛府、衛門府、近衛府/貴公子といえば近衛の中将/伊勢物語初段「初冠」/春日野の若紫の摺衣しのぶの乱れかぎり知られず/陸奥のしのぶもぢずり誰ゆゑに乱れそめにしわれならなくに/既存の物語を超えて
Published 01/14/23
もう一人のヒロイン、恬子内親王/狩の使/伊勢の斎宮/来る女/君や来しわれや行きけむ思ほえず夢かうつつか寝てか醒めてか/かきくらす心の闇に迷ひにき夢うつつとは今宵定めよ/血の涙/かち人の渡れど濡れぬえにしあれば/また逢の関はこえなむ/惟喬親王の妹/中宮定子、業平の末裔説
Published 12/03/22
伊勢物語=歌物語/ひじき藻の話/思ひあらば葎の宿に寝もしなむひしきものには袖をしつつも/駆け落ちしてもいい/古今和歌集と伊勢物語/二条の后=藤原高子/清和天皇の后、陽成天皇の母/人知れぬわが通ひ路の関守は宵々ごとにうちも寝ななむ/高子の叔母、藤原順子/和歌のミラクルパワー、歌徳/平城天皇の孫/薬子の変/業平の父、阿保親王/業平兄弟の臣籍降下/承和の変/嵯峨天皇から淳和天皇への譲位/橘嘉智子/嵯峨天皇の息子、仁明天皇/藤原北家の台頭/藤原良房の妹、順子/藤原一族の皇子/伴健岑と橘逸勢/阿保親王の密告/父の急死/日本三代実録/体貌閑麗、放縦不拘、略無才学、善作倭歌/月やあらぬ春や昔の春ならぬわが身一つはもとの身にして/本意にはあらで/詞書を超える魅力/春宮の女御=藤原高子/花に飽かぬ歎きはいつもせしかども今日の今宵に似る時はなし/実在の二人の関係/不敬な文学/臣籍降下された皇族なら不謹慎な恋愛してもいい/源氏物語の先輩/醜聞まみれの后/寛平御記/扶桑略記/不倫、妊娠、廃后/理想の妻、藤原多美子/藤原基経の妹/幼帝への不満/藤原摂関政治/承和の変まで巻き戻し/見捨てられた母娘/文学の優...
Published 11/19/22
このたびは幣もとりあへず手向山紅葉の錦神のまにまに/菅家=菅原道真/宇多上皇の御幸/幣(ぬさ)/道祖神(どうそじん)/「見立て」の美/竜田川紅葉乱れて流るめり渡らば錦中や絶えなむ/竜田姫たむくる神のあればこそ秋の木の葉のぬさと散るらめ/秋の女神竜田姫/春と花の女神佐保姫/手向けにはつづりの袖もきるべきに紅葉に飽ける神や返さむ/素性法師/六歌仙/僧正遍昭/在原業平/文屋康秀/喜撰法師/小野小町/大伴黒主/古今和歌集仮名序/柿本人麿/山部赤人/万葉集の時代へのリスペクト/大空の月を見るがごとく/遍昭=桓武天皇の孫/良岑宗貞/扶桑略記/間近に迫る和歌の時代/もみぢ葉の流れてとまるみなとには紅深き波や立つらむ/二条の后=藤原高子/ちはやぶる神代もきかず竜田川韓紅に水くくるとは/業平と高子と伊勢物語 ※和歌の解釈には諸説あり、今回提示したのはその一例に過ぎません。あしからず。
Published 10/30/22
伊勢物語の前フリとしての古今和歌集の前フリとしての菅原道真の話/偉大な祖父、清公/嵯峨天皇と中国文化/三つの勅撰漢詩集/中国文化浸透政策/大学寮/文章博士就任と父の焦り/誹謗中傷の嵐/讃岐守/代作の名手/藤原基経/藤原高子/陽成天皇/光孝天皇/基経無職事件と関白/一般人経験者の宇多天皇/阿衡の紛議/宇多天皇の寵臣/右大臣道真/昌泰の変/基経の息子、時平/源能有の死と朝廷ボイコット事件/宇多・道真と醍醐・時平の対立/太宰府への左遷/白氏の体、天下無双の詩才/漢詩の時代の終焉/求められる能力の変化/勅撰和歌集の光栄/古今和歌集の時代
Published 10/23/22
元服/髪型の変化/兄に負けないセレモニー/桐壺帝の胸中/ひきいれの大臣/ウルトラスーパー高貴な娘/おぼしわずらふこと/光源氏の正妻/左大臣の賭け/葵の上の憂鬱/藤壺への思慕/既婚者の一般男性/変動するパワーバランス/右大臣家の婿取り/桐壺の章段のラスト/訂正「光源氏の三つの家」を説明した際に言った「宮中の藤壺」は桐壺の誤りです。
Published 10/10/22
ベテラン女官典侍の証言/桐壺更衣のそっくりさん/先帝の四宮/先帝って誰?/皇太子不在の謎/反対する母/藤壺/桐壺更衣との決定的な違い/誰かの代わりに愛されるということ/光源氏の憧憬と藤壺の恥じらい/弘徽殿の女御の苛立ち/光る君と輝く日の宮/輝く藤壺、中宮彰子/作中最高の女性
Published 08/15/22
右大臣家=藤原摂関家/天皇親政/政治と不可分な恋愛/弘徽殿の女御と帝の対立/かどかど/雲の上も涙にくるる秋の月いかですむらむ浅茅生の宿/中心人物の転換/ゆゆし/皇太子問題の決着/祖母の死/読書始/無敵の皇子/高麗人の相人/予言の物語/臣籍降下/源氏の誕生
Published 06/27/22
史の中の二人と詩の中の二人/亭子院=宇多天皇/伊勢/紀貫之/長恨歌の屏風絵/ヒロインが死ぬラブストーリー/荒き風ふせぎし蔭の枯れしより小萩がうへぞ静心なき/返歌の作法/更衣の母の恨み節/それぞれの望み/源氏物語の政治性/右大臣家との争い/共犯、あるいはすれ違い/長恨歌の中の死/道士、方士のマジカルパワー/玉容、寂寞、涙闌干。梨花一枝、春雨を帯ぶ。/比翼の鳥、連理の枝/此の恨みは綿々として尽くる期無からん/尋ねゆく幻もがなつてにても魂のありかをそこと知るべく
Published 06/13/22
徹夜で待ってる帝/古典における「物語」/『長恨歌』/平安貴族に大人気の白居易/若き英君、玄宗皇帝/息子の妻、陽玉環/二重の玉の輿/『資治通鑑』/政治に飽きちゃった玄宗/宰相、李林甫/陛下、今日も世界は平和です!/口に蜜あり、腹に剣あり/節度使、安禄山/巨漢の赤ちゃん/元ギャンブラー、楊国忠/安史の乱/名君にして暗君/馬嵬の悲劇/楊貴妃の死
Published 05/29/22