#112 変幻自在のプーランク『三重奏曲』第一楽章
Listen now
Description
今回はフランシス・プーランクが20代半ばに作曲したオーボエ、ファゴットとピアノのための『三重奏曲』を聴いていただきます。 この三重奏曲はフランス語でフランス語でTrio pour hautbois, basson et pianoと、ファゴットではなくバスーン(フランス語読みではバッソン)とあります。バスーンとファゴットは同じ楽器で、国によって呼び方が違うだけ(英語圏ではファゴットをバスーンと呼んでいます)と思われている方が多いかもしれませんが、実は似て非なる楽器です。機構や奏法なども異なります。 第一楽章は重々しく始まりますが、すぐにとても早口で喋っているかのような軽快なリズムとなり、そしてまたその後全く違った音楽となるといった、変幻自在の様相を呈しています。 フランスは木管楽器の名人たちを多く輩出していますが、それは彼らが、細かい口や舌の動きが求められるフランス語話者であることが影響しているのかもしれません。 なお、番組内ではなかなか伝え切れない内容を中田昌樹さんがご自身のFacebookでフォローくださっていますので、こちらもご参照ください。 【出演】中田昌樹(指揮者)  【演奏】フランシス・プーランク作曲 オーボエ、ファゴットとピアノのための『三重奏曲』     オリヴィエ・ドリーズ(オーボエ)/ローラン・ルフェーヴル(ファゴット)/アレクサンドル・タロー(ピアノ)     イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行/ピアノ   【提供】笹川日仏財団
More Episodes
当時売れっ子作家だったコレットの台本にモーリス・ラヴェルが曲をつけたオペラ『子供と魔法』をお届けします。 舞台はノルマンディ地方の何もかもが古びた家の中。6歳ぐらいの男の子が宿題をやりなさいとお母さんに叱られ、逆に捻くれて家の中のものを壊したり、猫のしっぽをつかんだりして悪さをし放題。そんな情景から始まります。 毎小節のように頻繁に変化する拍子と、五度/四度音程のオーボエと、コントラバスのとても高いポジションでのハーモニックス奏法で始まる冒頭は、所在のない中にも不思議な風が通り抜けるような感覚が味わえるかもしれません。 中田昌樹さんの⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠...
Published 06/07/24
前回に続いてモーリス・ラヴェル作曲『マ・メール・ロワ』をお届けします。 『ラ・ヴァルス』や『高雅で感傷的なワルツ』と同様、拍子がはっきりとはわからないように、楽器や和声、音程の使い方を工夫しながら、拍子の輪郭を歪めたり、角を丸くしたりするような書法で作曲されています。そのため、空気がふわっと動くような浮遊感を感じられる印象の曲となっています。 中田昌樹さんの⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠Facebook⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠では番組内の内容をさらに視覚的にも拡めています。ぜひご覧ください。  【出演】中田昌樹...
Published 05/31/24