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今回は2024年に新曜社より出版された『エスニック空間の社会学〜新大久保の成立・展開に見る地域社会の再編』の著者である申惠媛さんにお話を伺いました。インタビュアーは鶴見太郎さんです。 【著作概要】マルチエスニック・タウン、コリアンタウン、韓流・K-POPの聖地 ―...
Published 04/30/24
今回は2023年にRoutledgeより出版された『Women in Asia under the Japanese...
Published 04/17/24
今回は2023年に東方書店より出版された『中国の知的障害者とその家族〜「新しい社会性」のエスノグラフィー』の筆者である奈倉京子さんにお話を伺いました。インタビュアーは松田ヒロ子さんです。 【著作概要】本書は、家族以外の多様な他者とのかかわりが必要とされる障害者とその家族を対象に、障害のある家族成員のケアは家族以外の社会関係(中間的領域/組織)に頼ることができるのか、あるいは家族へ全面的に依存せざるを得ない状況にあるのかといったことを考察する。 民間組織「機構」の役割を当事者の目線で検討し、また複数の障害者家族への聞き取りを通して、中国西北部に暮らす知的障害者とその家族の生の営みを記述したものである。 第一部では法整備や中間的領域/組織の成り立ちなど、社会の面から障害者家族とのかかわりを考察した。第二部は知的障害の子をもつ家族の聞き取りをもとに、個人の側から障害者とその家族の「新しい社会性」の内実を描き出した。 「新しい社会性」とは、家族もしくはその他の社会集団の代表ではない、一人の人間が、個人と個人の間で、社会における活動を通して互いに影響を与え合うことを特徴とする、新た...
Published 03/12/24
今回は2023年に大阪大学出版会より出版された『二重読みされる中華民国〜戦後日本を生きる華僑・台僑たちの「故郷」』の筆者である岡野(葉)翔太さんにお話を伺いました。インタビュアーは松田ヒロ子さんです。 【著作概要】1949年以降、中華人民共和国と中華民国は互いに「中国」の正統政府であると主張し、海外在住の「華僑」をどちらの「国民」とするのか、熾烈な争奪戦を繰り広げた。 日本で暮らす台湾出身者や台湾に移転した中華民国と結びつく大陸出身者=「台湾系華僑」は、戦後東アジア地域秩序の再編によって迫られた「中華民国を支持するか」、「中華人民共和国を支持するか」、「台湾独立を支持するか」という政治選択に翻弄され、様々なカテゴライズやレッテルのもとで自己認識を問われてきた。 本書では、在日華僑研究のなかで明確に位置づけられてこなかった「台湾系華僑」の存在を歴史的変遷のもとで捉えなおし、地図上に引かれた境界の経緯と、それに基づく呼称や自己認識との関係のなかで再考する。 【ゲスト:岡野(葉)翔太プロフィール】1990年、神戸市生まれ。葉翔太(YEH,...
Published 02/20/24
今回は2023年に晃洋書房より出版された『「大東亜共栄圏」における南方国策移民〜「南方雄飛」のゆくえ』の筆者である大久保由理さんにお話を伺いました。インタビュアーは安岡健一さんです。 【著作概要】「大東亜共栄圏」を建設する使命を担った青年たちは、どのように養成され、現地でどのような現実に直面したのだろうか。この問いのもと、本書は1940年代に拓務省によって実施された南方移民政策に着目した最初の本格的研究である。 その政策の特徴は、10代の青年たちを「大東亜共栄圏」における模範民族としてふさわしい人格と、「南方開拓」のための実践的知識を持つ人材として訓練した点にあり、彼らは卒業後に東南アジア各地へ送出された。 本書では彼らを「南方国策移民」と定義し、拓務省管轄下にあった人材養成機関である、「拓南塾」(企業社員養成)と「拓南錬成所」(農業技術者養成)を取り上げた。また現地での活動として拓南塾卒業生のうちフィリピンへ送出された事例に焦点を当て、日記や書簡の分析や、国内外での聞き取り調査によってその実相に迫った。なお補論では、拓南錬成所卒業生のグアムでの活動が、現地社会ではどのよう...
Published 02/06/24
今回は2023年に吉川弘文館より出版された『冷戦終焉期の日米関係〜分化する総合安全保障』の筆者である山口航さんにお話を伺いました。インタビュアーは渡邊康宏さんです。 【著作概要】1970年代末から80...
Published 01/27/24
今回は2023年に筑摩書房より出版された『南北戦争を戦った日本人〜幕末の環太平洋移民史』(菅(七戸)美弥・北村新三著)の共著者のお一人である菅(七戸)美弥さんにお話を伺いました。インタビュアーは加藤(磯野)順子さんです。 【著作概要】本書は、アメリカの南北戦争に従軍した日本生まれの二人が誰であったのかを追究し、人々の移動・移住を通じて南北戦争の時代の日本史とアメリカ史をつなぎ、戦争とマイノリティについて、そして環太平洋の移民・移住史について包括的に描いたものである。 従軍史料、アメリカ・センサスの調査票、死亡記録、帰化申請記録、新聞記事等々の検証を通じて、南北戦争に従軍した可能性が高い人物として漂流者・密航者・使節団員からの脱落者を挙げた。また、南北戦争におけるマイノリティをめぐる問題の参照事例として、中国人兵士をはじめとするアジア太平洋系移民兵士の存在に社会史的な視座から光を当てている。 さらに本書では、従来別々に論じられる傾向にあった、幕末に海外にいた日本人について、彼らが遭遇したり、会おうと思っても会えなかったりしたこと、同じ場所で同じ景色を見た時があったことを具体的...
Published 12/19/23
今回は2023年にかたばみ書房より出版された『芸術のわるさ〜コピー、パロディ、キッチュ、悪』の著者である成相肇さんにお話を伺いました。インタビュアーは筒井宏樹さんです。 【著作概要】1950年代から80年代に花ひらいた雑誌、マンガ、広告、テレビ等の複製文化は、いかに美術界を魅了し、かき乱したか。パロディ裁判、ディスカバー・ジャパン論争、赤瀬川原平、岡本太郎、植田正治、いわさきちひろ、キッチュの紹介者・石子順造の思想、そして神農の教え。絵本、写真、前衛美術から文化人類学、医学にまで首をつっこみ、2次的で取るに足りないとされた「非芸術」を語ることで、硬化した「芸術」の境界をゆるがす、戦後日本の複製文化論。本邦初のパロディ辞典、石子順造辞典を付す。著作権をめぐる最重要判例であるパロディ裁判判決に果敢に挑んだ「二重の声を聞け」は、表現の自由が問われる今、法曹界での議論が待たれる。軽妙な口上から論文まで、様々な語り口を収めた本書は、40代の現役学芸員の単著という意味でも大変めずらしい、型破りな人文書であり、新たな批評の書でもある。 【ゲスト:成相肇プロフィール】1979年島根県生まれ。...
Published 10/10/23
今回は2023年に勁草書房より出版された『医学が子どもを見出すとき〜孤児、貧困児、施設児と医学をめぐる子ども史』の編者のお一人である土屋敦さんにお話を伺いました。インタビュアーは野崎祐人さんです。 【著作概要】貧困階層における生殖・再生産への医療的介入、子ども司法や貧児、孤児などの処遇に医療はどのようにかかわってきたのか。フロイト派の展開や知能検査などの心理学・児童精神医学上のツールの展開は「逸脱児」のラベリングにどう寄与したのか ─...
Published 09/19/23
今回は2023年に明石書店より出版された『「個人化」する権威主義体制〜侵攻決断と体制変動の条件』の著者である大澤傑さんにお話を伺いました。インタビュアーは渡辺広樹さんです。 【著作概要】プーチン、習近平、金正恩―リーダーによる予測不能で「非合理」な意思決定が可能となる条件とは。考えうる結末は。新進気鋭の国際政治研究者がウクライナ侵攻で激震を与えたロシア、台湾有事が懸念される中国、ミサイル発射を繰り返す北朝鮮の3か国を分析。 【ゲスト:大澤傑プロフィール】1987年愛知県生まれ。上智大学大学院グローバル・スタディーズ研究科修士課程修了。防衛大学校総合安全保障研究科博士課程修了。博士(安全保障学)。駿河台大学法学部助教を経て、2021年4月より愛知学院大学文学部講師。 主な著書・論文に『世界の基地問題と沖縄』(分担執筆、明石書店、2022年)、『よくわかる国際政治』(分担執筆、ミネルヴァ書房、2021年)、『独裁が揺らぐとき〜個人支配体制の比較政治』(ラテン・アメリカ政経学会2021年度研究奨励賞、ミネルヴァ書房、2020年)、「台湾の二大政党制は揺らぐのか〜権威主義継承政党が...
Published 09/05/23
今回は2023年に青土社より出版された『タイミングの社会学〜ディテールを書くエスノグラフィー』の著者である石岡丈昇さんにお話を伺いました。インタビュアーは鶴見太郎さんです。 【著作概要】フィールドワークが世界の見方を変える。舞台は、マニラの貧困地区。突然試合が中止だと告げられるボクサー、自宅が急に目の前で破壊されるスラム街の住人、常に主人の顔色を窺う家事労働者…。何が起こるかわからない明日を待ち、絶えざる今を生きのびるとはどういうことか。かれらが生きる時間のディテールをともに目撃し、ともに書くための理論と思想。 【ゲスト:石岡丈昇プロフィール】1977年岡山県岡山市生まれ。日本大学文理学部社会学科教授・博士(学術)。 専門は、社会学、身体文化論。主な著書に『ローカルボクサーと貧困世界〜マニラのボクシングジムにみる身体文化』(世界思想社、2012年)、『質的社会調査の方法〜他者の合理性の理解社会学』(共著、有斐閣、2016年)、The Bottom Worker in East Asia: Composition and Transformation under...
Published 08/15/23
今回は2020年に錦正社より出版された『日本海軍と東アジア国際政治〜中国をめぐる対英米政策と戦略』の著者である小磯隆広さんにお話を伺いました。インタビュアーは中立悠紀さんです。 【著作概要】本書は、昭和戦前期、日本陸軍と双璧をなす軍事組織であった日本海軍の満洲事変から日米開戦に至るまでの期間における、対英米観、対英米政策、そして戦略(作戦方針と用兵思想)を分析したものである。 1930年代政治外交史、国際政治史研究は非常に膨大な蓄積がされてきた。そのような研究領域において、本書は重要な歴史像を提示する成果である。 本書はタイトルの通り、東アジアの国際政治における日本海軍の位置を考察したものであり、従来、陸軍や外務省と比較して断片的な分析にとどまっていた海軍の対英米観とその政策・戦略を博捜した史資料を使って丹念に分析している。アメリカが提示した門戸開放・機会均等の理念に海軍がどのように対応・利用しようとしたのかといった問題や、また海南島問題と日米交渉の関係を取り上げることで、対米戦にいたるまでの海軍の戦略の重要性を浮き彫りにしている。 本書は、近年は必ずしも若手研究者人...
Published 08/01/23
今回は2022年に法政大学出版局より出版された『伊波普猷の政治と哲学〜日琉同祖論再読』の著者である崎濱紗奈さんにお話を伺いました。インタビュアーは二井彬緒さんです。 【著作概要】本書は、近代沖縄を代表する思想家・伊波普猷(1876-1947)のテクスト分析を通して、その「政治」と「哲学」の可能性と限界を明らかにするものである。 伊波の思想は「日琉同祖論」として知られ、これまで様々な解釈がなされてきた。大日本帝国が推進した同化主義を正当化する言説として厳しく批判されてきた一方で、帝国下における「琉球・沖縄」の個性を保つための戦略的同化主義として評価する読解も根強い。 これに対し本書は、先行研究が「日本」「琉球・沖縄」という二つの主体を前提として伊波の「日琉同祖論」を読解してきたことの限界を指摘し、<原日本>=<原沖縄>という全く別の場所を開くための試みとして、これを理解することを試みる。 伊波のこのような試みには、天皇を中心とする大日本帝国の国家主義を批判する回路が秘められていたが、同時にそれは、「政治」を徹底的に抹消しようとする「政治神学」としての側面も併せ持っていた...
Published 07/18/23
今回は2023年に晃洋書房より出版された『墓の建立と継承〜「家」の解体と祭祀の永続性をめぐる社会学』の著者である辻井敦大さんにお話を伺いました。インタビュアーは林凌さんです。 【著作概要】「家」なき時代において、墓を建て、それを継承することの背景には、何があるのだろうか?本書は、社会的アクターとしての地方自治体・石材店・仏教寺院に注目し、それらが参与することによって、墓を建て、継承するという営みの意味が変容する過程を、社会学の観点から明らかにしたものである。 【ゲスト:辻井敦大プロフィール】1993年神奈川県生まれ。東京都立大学大学院人文科学研究科博士後期課程修了。博士(社会学)。立命館大学衣笠総合研究機構専門研究員。専門は社会学。その他詳細は、https://researchmap.jp/A-TSUJII 【インタビュアー:林凌プロフィール】1991年生まれ。...
Published 07/04/23
今回は2023年に以文社より出版された『〈消費者〉の誕生〜近代日本における消費者主権の系譜と新自由主義』の著者である林凌さんにお話を伺いました。インタビュアーは辻井敦大さんです。 【著作概要】戦後消費社会の出現とともに語られる〈消費者〉は、戦前期からすでに知識人の構想のなかに蠢いていた。戦後の生活協同組合を支える論理を生み出した賀川豊彦・奥むめお・本位田祥男、流通行政の礎を築いた向井鹿松・谷口吉彦・福田敬太郎らの戦前・戦中期の思想=活動に肉薄し、近代日本に通底する社会改良主体/庇護対象としての〈消費者〉像を掘り起こす。これまで黙殺されてきた/にも関わらず私たちの生を根底から規定する、消費者主権の思想史。 【ゲスト:林凌プロフィール】1991年生まれ。 東京大学大学院学際情報学府博士課程単位取得退学、博士(社会情報学)。日本学術振興会特別研究員(PD)。専門は消費社会論、歴史社会学。その他詳細は、https://researchmap.jp/hayashiryo 【インタビュアー:...
Published 06/20/23
今回は2023年に晃洋書房より出版された『愛されるコモンズをつくる〜街場の建築家たちの挑戦』の著者である松村淳さんにお話を伺いました。インタビュアーは松田ヒロ子さんです。 【著作概要】本書は、コロナ禍によって人々が住宅の内と外の双方に居場所を失っているという状況を契機に、現代日本における身体と空間を問い直すことを目的とした。その際、排除/包摂という議論ではなく、「疎外」という視角から光を当てた。そうすることで、排除/包摂論からは見えてこない、人々と居場所の多様な状況を検討していくことが目的である。 公園や図書館等の公共空間は、リスク回避のために禁止事項が増え、気軽に利用することが難しくなっている。そうした公共空間の機能不全は、人々を住宅の中へと撤退させてしまう(住宅への疎外)。一方で、日本における住宅の大部分を占めるnLDKタイプの画一化された住宅は、自宅でのテレワーク、感染者の隔離といったコロナ禍による非常事態に対応できず、人々は住宅からも疎外されている。 このような状況にあって、「私的な空間へのコモンズ的な要素の埋め込み」という試みが各地で看取できる。こうした私的空間を...
Published 06/06/23
今回は2022年に新教出版社より出版された『ビリー・グラハムと「神の下の国家」アメリカ〜福音伝道者の政治性』の著者である相川裕亮さんにお話を伺いました。インタビュアーは倉本敬司さんです。 【著作概要】国葬にされた、ただ一人の牧師。アイゼンハワーからオバマに至る歴代大統領と親密な関係を結び、「アメリカの牧師」として彼らの政策に有形無形の影響を及ぼしたビリー・グラハムの、主に冷戦下70年代までの思想と行動を<福音伝道者>という観点から解明した俊英の力作。<預言者>でも<祭司>でもないこの独特な宗教者の類型は、いかなる意味をもつのか。 【ゲスト:相川裕亮プロフィール】1988年生まれ。慶應義塾大学大学院法学研究科後期博士課程単位取得退学。博士(法学)。広島大学大学院人間社会科学研究科助教を経て、現在は、金城学院大学国際情報学部講師。主要論文に「冷たい戦争と魂の危機――大衆伝道者ビリー・グラハムの見た共産主義、自由、原罪」『アメリカ研究』50号(2016年)、共訳書にマイケル・ウォルツァー『アメリカ左派の外交政策』(風行社、2018年)などがある。 【インタビュアー:...
Published 05/23/23
今回は2022年に千倉書房より出版された『外務省と日本外交の1930年代〜東アジア新秩序構想の模索と挫折』の著者である湯川勇人さんにお話を伺いました。インタビュアーは倉本敬司さんです。 【著作概要】1930年代、東アジアの新秩序建設に邁進する日本で、それに強く反対する米国との関係維持を目標として外務官僚たちの苦闘と挫折の歴史を描く。第39回大平正芳記念賞〈正賞〉受賞(2023年2月) 【ゲスト:湯川勇人プロフィール】広島大学大学院社会科学研究科准教授。1988年生まれ。甲南大学卒業、神戸大学大学院法学研究科博士後期課程修了。アイオワ大学客員研究員、ひょうご震災記念21世紀研究機構研究戦略センター研究調査部主任研究員などを経て2019年より現職。2017年、本書の基礎となった論文「東アジア秩序をめぐる日米関係:1930年代の外務省による東亜新秩序の模索」で第16回アジア太平洋研究賞佳作を受賞。 【インタビュアー: 倉本敬司プロフィール】広島大学大学院人間社会科学研究科博士前期課程2年。
Published 05/09/23
今回は2022年に法政大学出版局より出版された『朝鮮映画の時代〜帝国日本が創造した植民地表象』の著者である梁仁實さんにお話を伺いました。インタビュアーは丁智恵さんです。 【著作概要】本著は植民地朝鮮で作られた映画が内地日本でどのように受容されていたのか、そして内地日本にて誰がどのようにそれらを観ていたのかについて考察したものである。さらに、内地日本で製作した朝鮮を映した映像も併せて、いかに朝鮮像が創り出されていたのか、に注目した。またその過程で在日朝鮮人が朝鮮映画を見る観客であり、製作者であったことも明らかにした。朝鮮映画やそれにかかわった人々は植民地政策と時には「協力」し、時には拮抗する形で新たな朝鮮像を創造していたのである。 【ゲスト:梁仁實プロフィール】韓国済州生まれ。立命館大学大学院社会学研究科博士後期課程修了。博士(社会学)。現在、岩手大学人文社会科学部准教授。専門は日韓の文化交流史、在日コリアン史。...
Published 04/25/23
今回は2023年にCambridge University Pressより出版された『Science for Governing Japan’s...
Published 04/11/23
今回は2022年に明石書店より出版された『和解をめぐる市民運動の取り組み〜その意義と課題』の編者である外村大さんにお話を伺いました。インタビュアーは木下直子さんです。 【著作概要】戦争・植民地支配、内乱等の過程で発生した人権被害はしばしば、被害それ自体を語ることもできないままとなる。その史実を掘り起こし、被害者の尊厳回復、関係者間の葛藤を解きほぐしていくうえで、重要な役割を果たすのは市民の自発的な活動である。日本と近隣諸国、あるいはそれぞれの国内で起きた様々な事例についての市民運動を事例に、歴史学・社会学・政治学の研究者がそれを跡付けるとともに、分析を加えている。そこからは、国家レベルでの外交的解決や司法判断、行政施策では生み出さしえない、市民レベルの共感や相互理解を含む和解の可能性を見出すことができる。と同時に、それを実現する条件が何であるのかや現実に立ちはだかる障害や限界についても考えさせることになっている。 【ゲスト:外村大プロフィール】1966年、北海道で生まれる。1984年早稲田大学入学、学部卒業後、同大学大学院文学研究科史学(日本史)専攻で学ぶ。その後、早稲田大学...
Published 03/28/23
今回は2023年に新曜社より出版された『残留兵士の群像〜彼らの生きた戦後と祖国のまなざし』の著者である林英一さんにお話を伺いました。インタビュアーは松田ヒロ子さんです。 【著作概要】本書が対象とするのは、大日本帝国崩壊後もアジア各地に一定期間にわたって留まり、日本に帰国した/しなかった日本軍兵士の歴史と記憶である。とくに従来の研究が等閑視してきたドキュメンタリーや映画などの映像作品に着目し、各地域の残留兵士の実像と表象のせめぎあいを記述した上で、典型的な残留兵士の在り方と表象の時期的変遷を明らかにしている。1万人規模にのぼると推定される残留兵士の全体像に迫った包括的な研究書である。 【ゲスト:林英一プロフィール】1984年生まれ。慶應義塾大学大学院経済学研究科後期博士課程単位取得退学。一橋大学博士(社会学)。現在、二松学舎大学文学部歴史文化学科准教授。インドネシア残留日本兵の社会史研究で日本学術振興会育志賞受賞。著書に『残留日本兵の真実』(作品社)、『東部ジャワの日本人部隊』(作品社)、『皇軍兵士とインドネシア独立戦争』(吉川弘文館)、『残留日本兵』(中央公論新社)、『戦犯の...
Published 03/14/23
今回は2022年に有志舎より出版された『「地球社会」時代の日米関係〜「友好的競争」から「同盟」へ...
Published 02/28/23
Book Lounge Academia(ブック・ラウンジ・アカデミア)開設2周年を迎えて、特別編をお送りします。 開設当初からBook Lounge Academiaの運営に関わり、サイトの構築などを担当している石塚輝紀さんをお迎えして、立ち上げから関わる松田ヒロ子さんとの対談形式のインタビュー。Book Lounge Academiaの立ち上げの経緯や、その魅力、そして「これから」について語りました。 ◎Book Lounge...
Published 02/07/23