法的思考におけるバランス 法律家は、よくバランス感覚が大事だとか、バランスをとらなくとはいうが、そこで言われているのは、重さや長さや価格のように、同じ物差しで測ることのできるもの同士を比べることではなく、比べようのないもの同士の間での判断をすることがしばしばある。多くの場合、人の直面する選択肢は比較不能であり、比べようのないものの間で一つを自分の意思で選んで、それを実行している。価値が比較不能であるとはいかなることか、そのことが、人間社会にとってどのような問題をもたらすか、法律学は、その問題をどのように解決しようとしているか。 全3回の配信を行います。
Published 10/07/08