時代
小生がニューヨークを離れもう何年だろうか。 車窓を流れる景色を眺めながら思い耽る。 東京で一旗上げてやると、ギラギラしていた新人時代。 生意気だと陰口を叩かれながら、類を見ない大型プロジェクトを受注。 若くしてニューヨークでの新規開拓を命じられた。〈寝る暇なんてなかった。よくやり合ったNickは元気だろうか?〉ブルックリンの古い事務所はいつしかマンハッタンに移り、若い世代に席を譲った。後は余生と日本に帰国したものの、今は孫ほどの若い世代の育成を託されている。 刺激的な毎日だが、今は仕事が全てじゃない。 〈歌舞伎鑑賞が趣味とは。 変わっていくな、時代も。人も。景色も。〉 ふと車内に視線を戻すと鏡越しに運転手と目が合った。 「考えごとですか?」 少し気恥ずかしくなり着物の衿元を正す。 「いや。少し音量を上げてくれないか?」 「承知しました。」 運転手が音量を上げると、楽しそうな笑い声が少しずつ大きくなる。 〈あの頃の小生とNickのようだ。〉 自然と口角が上がり、ふっと息が漏れた。 これが、5点ラジオとの出会いであった。
オレとNick via Apple Podcasts · Japan · 06/28/23
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チャーチャッチャー、5点ラジオ 空港に向かうタクシーで懐かしいリズムが耳をついた。 小生がこの子気味良いリズムを初めて耳にしたのは3年前。 現在小生は、カナダ・トロントに向かう飛行機を待つラウンジでこのreviewをしたためている。 3年前の夏、小生はある地方都市の映画館で館長をしていた。 ただ、実質的な映画館の運営は小生の前任のN氏が担っていた。上映する映画を決めたり、常連客に向けた会報誌の内容を決めるのは彼だった。N氏が高齢で映画館全般の仕事からは引退するというので、小生が配給会社とのやり取りからチケットのもぎりまで、運営のもろもろを担っていたというわけだ。 こぢんまりとしたスク...Read full review »
ビックル⭐︎ via Apple Podcasts · Japan · 07/16/23
小生、日々「お姉さん」と「オバさん」の境目を研究しております。 子供は正直なので「おばさん」と話しかけられたらアウト。家族連れのお父さん・お母さんから子供に、「あのお姉さん」と私に指をさされているうちはセーフです。もちろん忖度されていることもあるでしょう。そんな存在がまさに「ネオおばさん」 「オバさん」と呼ばれるのが怖いので、最近は海外から輸入したビタミンを飲んでおります。そのおかげなのか、「お姉さん」とその辺のイケメンに声をかけてもらえます。 数十年後、私は確実に「オバさん」と「おばあさん」の境目について思いを馳せるのでしょう。
4810328 via Apple Podcasts · Japan · 06/29/23
ロンドンの空は小生の心模様を写したように暗く、さめざめと雨が滴っていた。 空港を出てタクシーに乗り込み、無愛想な運転手と陰鬱なドライブをしながら窓の外を眺める。 雨粒は真珠のように窓をつたって落ちていき、さながらロンドンの街並みを彩る宝石のようだ。 こんな景色を昔にも見た。それは小生の心の奥底にチェーンで固くロックされた、 二度と思い出すまいと葬り去った記憶。…おいおい、まだ忘れていなかったのか? 自分自身の執着に思わず嘲笑する。 「着いたよ」 じめっとした車内に運転手の声が響く。 ドアを開けると、そこにはあの日と変わらず、観光客やカップルが行き交う浮かれた光景があった。 やれやれと...Read full review »
小ぶりな大納言小豆 via Apple Podcasts · Japan · 06/27/23
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