父が余命宣告されあっという間に半年がたった。末期の胃癌だ。みるみる痩せ細り、食べたいものを食べられなくなった。
彼の身体は、抗がん剤も受けつけず手術もできない。だか今まで通り、船に乗って魚を釣り、畑でニンニクを育てる。釣った魚は誰かに食べさせるためだし、ニンニクは自分が食べられるかもわからない。
時を伝えられてから父はより食に貪欲になった。話を聞くと彼にとって、つくり、食べ、その文化をつなぐということは「命を燃やす」ことそのものらしい。
働き、つくり、食べる。
食べるを真ん中に、彼は自らの手でつくることで、今この瞬間も過去と未来を感じながら生きている。
重くない感じで話してるの...
Published 10/20/21