臓器移植は、手術手技・免疫抑制剤の発達とともに1980年代から実験的医療から一般医療へと変貌した。京都大学においても1990年より生体肝移植が始まり、2004年には1000例をこえ、世界で最多数の実績を達成した。また生体小腸移植や生体膵島移植も手がけている。この歩みの中で得た見識を我々は広く公開してきた。そのため国内はもとより欧米を含む世界中から研修生が訪れ、帰国後それぞれの地で生体肝移植を芽吹かせている。臓器移植に関する基礎的な知識、京都大学における実際の臨床経験から抽出されたデーター、移植医療の最先端について紹介する。