Episodes
【A173】文学の戦後と現在──三島由紀夫から村上春樹、村上龍まで
時間:198分
音質:5
ジャンル:文学
講演日:1995年7月24日
主催:日本近代文学館 後援・読売新聞社
場所:有楽町・よみうりホール
収載書誌:朝日出版社『埴谷雄高・吉本隆明の世界』(1996年)
音源について
恒例で参加していた
「近代文学館・夏の文学教室」
での講演。この年のテーマは
「戦後50年の文学」。客席は満席。
音源は主催者提供。聞き取りやすい。
講演より
文学作品はいつもある時代の作品です。
『源氏物語』は別な面から見ると
ものすごいジャーナリズム小説なんです。
当時の誰それが失恋して失踪したとか、
そういう風俗的な事件がとてもよく入っているんです。
いま読むとその面が沈んで
僕らもよくわからなくなっているけど、
よくよく見れば当時あった人が騒いだ事件は
ことごとく作品のなかにおさめられています。
そのように、ある作品が長生きするかどうかということは
偶然性にもよりますが、いずれにせよ時代の風俗性と、
永続性みたいなものが両方ないと、
長生きはしないということがいえそうな気がします。
Published 08/15/15
【A067】個の想像力と世界への架橋
時間:83分
音質:2
ジャンル:文学
講演日時:1982年11月13日
主催:現代短歌シンポジウム実行委員会
場所:千代田区一ツ橋・一橋講堂
収載書誌:雁書館『'82現代短歌シンポジウムin東京・全記録』(1983年)
音源について
「'82現代短歌シンポジウムin東京」
として2日間にわたり開催された
シンポジウム幕開けの講演。
冒頭、佐々木幸綱氏による
開会の挨拶が収録されている。
録音者の手元ノイズが入っている。
講演より
高橋源一郎さんの『さようなら、ギャングたち』という
作品が問題にしていることは、
現在の詩歌が当面している問題そのものであるといえます。
この作品では、ラディカルな詩の概念というものが、
伝統的な言葉の様式からは出てこないで、
何もかもむなしくされてしまい、
現在の原初的な刺激を
無意識の底から受け入れたときに生まれる言葉から
出てくるかもしれないという考え方が
成り立っているのです。
現在、詩的な表出のすべてが
直面している物語性の解体というところで、
短歌の領域でも同じような問題が
本格的に出てきているん...
Published 08/15/15
【A029】親鸞について
時間:97分
音質:2
ジャンル:宗教
講演日時:1972年11月12日
主催:大谷大学 学園祭実行委員会
場所:大谷大学
収載書誌:春秋社『〈信〉の構造 PART1』(2004年)
音源について
冒頭部分が欠けており、
前半はテープノイズがひどく、
たいへん聞き取りづらい。
質疑応答は、途中
二度欠落している個所がある。
講演より
親鸞は、「絶対他力」の思想を根底におく、
日本ではたいへん珍しいタイプの思想家だと思います。
僕は、家が浄土真宗だということを除いては、
宗教もイデオロギーも信じていないし、
「自立」ということばかりいうまことに不肖の者ですが、
若いときから親鸞は好きで、
まったく反対なことをいっているとは
ちっとも感じられないところがあります。
それはおそらく、親鸞の自己解体の過程が、
「絶対他力が同時に絶対自力というものを包括する」
というところを指し示しているからではないかと
考えられるんです。
Published 08/15/15
【A017】言葉の根源について
時間:89分
音質:3
ジャンル:思想
講演日時:1970年5月
主催:桐朋学園
場所:桐朋学園
収載書誌:中公文庫『語りの海3』(1995年)
音源について
桐朋学園土曜講座での講演。
客席から録音されたものだが
クリアに収録されている。
途中で声が遠くなるのは
吉本隆明が黒板を使用するため。
講演より
沈黙というと「ぼんやりしている状態」と
思われがちですが、沈黙も言語表現なのです。
ある人が何もしゃべっていなくても、
その人の意識の内部には何かがある、ということです。
黙っていても、その人の
主観的あるいは意識的な状態がわかるとか、
表現されているとか、感じる場合があるでしょう。
それは、沈黙の言語が、内的意識の時間性、空間性に
解体して存在しているからなのです。
外からは憶測するよりしかたがないのですが、
まったく無意味なのではなく、
その人の主観や意識の内部はたいへん満たされていて、
何かしゃべられているのかもしれない、
というようなしゃべり方がありうるわけです。
Published 08/15/15
【A111】荒地派について
時間:73分
音質:4
ジャンル:文学
講演日時:1988年8月3日
主催:関東学院大学文学部/関東ポエトリ・センター
場所:関東学院大学葉山セミナーハウス
収載書誌:未発表
音源について
主催者から提供を受けた
VHSテープから
音声データを抜き出した。
クリアに収録されているが、
冒頭の司会と前半部に
ノイズと残響音がある。
講演より
三好達治の詩でも立原道造の詩でも、中原中也の詩でも、
半ば無意識的に最初の言葉さえぶつけられれば、
そこから意識の持続がある限り詩は成り立って、
持続が終わったときは詩が終わる。
そういうものが一般的に詩と考えられるとすれば、
荒地派の詩人たちが日本の詩のなかにもたらした
方法というのは、
「推敲可能な詩が書ける」ということです。
流れを止めて考え込む、
立ち止まって自分が書いた詩の一行を
自分でじっと検討してみる──そういう詩の書き方が
可能だということをはじめて教えてくれたのが、
荒地派の詩だと思います。
この講演のテキストを読む
Published 08/15/15
【A017】言葉の根源について
時間:89分
音質:3
ジャンル:思想
講演日時:1970年5月
主催:桐朋学園
場所:桐朋学園
収載書誌:中公文庫『語りの海3』(1995年)
音源について
桐朋学園土曜講座での講演。
客席から録音されたものだが
クリアに収録されている。
途中で声が遠くなるのは
吉本隆明が黒板を使用するため。
講演より
沈黙というと「ぼんやりしている状態」と
思われがちですが、沈黙も言語表現なのです。
ある人が何もしゃべっていなくても、
その人の意識の内部には何かがある、ということです。
黙っていても、その人の
主観的あるいは意識的な状態がわかるとか、
表現されているとか、感じる場合があるでしょう。
それは、沈黙の言語が、内的意識の時間性、空間性に
解体して存在しているからなのです。
外からは憶測するよりしかたがないのですが、
まったく無意味なのではなく、
その人の主観や意識の内部はたいへん満たされていて、
何かしゃべられているのかもしれない、
というようなしゃべり方がありうるわけです。
Published 08/15/15
【A111】荒地派について
時間:73分
音質:4
ジャンル:文学
講演日時:1988年8月3日
主催:関東学院大学文学部/関東ポエトリ・センター
場所:関東学院大学葉山セミナーハウス
収載書誌:未発表
音源について
主催者から提供を受けた
VHSテープから
音声データを抜き出した。
クリアに収録されているが、
冒頭の司会と前半部に
ノイズと残響音がある。
講演より
三好達治の詩でも立原道造の詩でも、中原中也の詩でも、
半ば無意識的に最初の言葉さえぶつけられれば、
そこから意識の持続がある限り詩は成り立って、
持続が終わったときは詩が終わる。
そういうものが一般的に詩と考えられるとすれば、
荒地派の詩人たちが日本の詩のなかにもたらした
方法というのは、
「推敲可能な詩が書ける」ということです。
流れを止めて考え込む、
立ち止まって自分が書いた詩の一行を
自分でじっと検討してみる──そういう詩の書き方が
可能だということをはじめて教えてくれたのが、
荒地派の詩だと思います。
この講演のテキストを読む
Published 08/15/15
【A051】〈アジア的〉ということ
時間:133分
音質:5
ジャンル:思想
講演日:1979年7月15日
主催:北九州市小倉・金榮堂
場所:北九州市小倉・毎日会館ホール
収載書誌:弓立社『document 吉本隆明...
Published 08/15/15
【A168】「知」の流通──「試行」刊行から34年……現在
時間:121分(うち質疑応答26分)
音質:3
講演日時:1995年2月10日
主催:地方・小出版流通センター
場所:幕張プリンスホテル
収載書誌:未発表
音源について
地方・小出版流通センター
20周年記念イベントの講演。
やや音声が曇っているが
比較的クリアに収録されている。
講演より
流通のやり方を決めていく決め手というのはもちろん
上のほうから決まっていくのが常道ですが、
消費資本主義、現在の高度な資本主義が突入した段階から
いいますと、逆が成り立つということです。
つまり「価格破壊」が成り立つのであって、
それは別の言葉でいえば、
「消費者第一主義」ということを意味します。
消費資本主義の段階で誰が価格を決めるのかというと、
消費者が決めるわけです。
それにいちばん近いかたち、いちばん便利で安いかたちで
提供を受ける権力というのはどこなんだとか、
やり方はあるのかというのは、
僕が「試行」という雑誌をはじめてから
一生懸命考えてきたことです。
その原則、原理だけはいまでも通用すると思いますし、
いまのほう...
Published 08/15/15
【A026】自己とは何か──キルケゴールに関連して
時間:113分
音質:2
ジャンル:思想
講演日時:1971年5月30日
主催:大学セミナーハウス
場所:新宿・紀伊国屋ホール
収載書誌:弓立社『敗北の構造』(1972年)
音源について
第38回大学共同セミナーで講演。
テープ劣化のためノイズが多く、
音質はよくない。
講演より
結婚して子どもを生み、そして子どもに背かれ、
老いてくたばって死ぬ、そういう生活者を
もしも想定できるならば、
そういう生活のしかたをして生涯を終える者が、
いちばん価値がある存在なんだ──人間存在の
価値観の規準はそこにおくことができると、
僕は考えました。
だから、もっとも価値ある生き方とは何かと問われたとき、
日々繰り返される生活の問題以外には
あまり関心を持たないで、生まれて老いて死ぬという
生き方がもっとも価値ある生き方だ、
というほかはありません。
どんな人間でも、大なり小なりその規準からの逸脱として、
食い違いとして、生きていくわけですが、
キルケゴールなんかには
ぜんぜん関心がないという生き方は、
もっとも価値ある生き方だというこ...
Published 08/15/15
【A051】〈アジア的〉ということ
時間:133分
音質:5
ジャンル:思想
講演日:1979年7月15日
主催:北九州市小倉・金榮堂
場所:北九州市小倉・毎日会館ホール
収載書誌:弓立社『document 吉本隆明...
Published 08/15/15
【A168】「知」の流通──「試行」刊行から34年……現在
時間:121分(うち質疑応答26分)
音質:3
講演日時:1995年2月10日
主催:地方・小出版流通センター
場所:幕張プリンスホテル
収載書誌:未発表
音源について
地方・小出版流通センター
20周年記念イベントの講演。
やや音声が曇っているが
比較的クリアに収録されている。
講演より
流通のやり方を決めていく決め手というのはもちろん
上のほうから決まっていくのが常道ですが、
消費資本主義、現在の高度な資本主義が突入した段階から
いいますと、逆が成り立つということです。
つまり「価格破壊」が成り立つのであって、
それは別の言葉でいえば、
「消費者第一主義」ということを意味します。
消費資本主義の段階で誰が価格を決めるのかというと、
消費者が決めるわけです。
それにいちばん近いかたち、いちばん便利で安いかたちで
提供を受ける権力というのはどこなんだとか、
やり方はあるのかというのは、
僕が「試行」という雑誌をはじめてから
一生懸命考えてきたことです。
その原則、原理だけはいまでも通用すると思いますし、
いまのほう...
Published 08/15/15
【A026】自己とは何か──キルケゴールに関連して
時間:113分
音質:2
ジャンル:思想
講演日時:1971年5月30日
主催:大学セミナーハウス
場所:新宿・紀伊国屋ホール
収載書誌:弓立社『敗北の構造』(1972年)
音源について
第38回大学共同セミナーで講演。
テープ劣化のためノイズが多く、
音質はよくない。
講演より
結婚して子どもを生み、そして子どもに背かれ、
老いてくたばって死ぬ、そういう生活者を
もしも想定できるならば、
そういう生活のしかたをして生涯を終える者が、
いちばん価値がある存在なんだ──人間存在の
価値観の規準はそこにおくことができると、
僕は考えました。
だから、もっとも価値ある生き方とは何かと問われたとき、
日々繰り返される生活の問題以外には
あまり関心を持たないで、生まれて老いて死ぬという
生き方がもっとも価値ある生き方だ、
というほかはありません。
どんな人間でも、大なり小なりその規準からの逸脱として、
食い違いとして、生きていくわけですが、
キルケゴールなんかには
ぜんぜん関心がないという生き方は、
もっとも価値ある生き方だというこ...
Published 08/15/15
【A063】物語の現象論
時間:99分
音質:4
ジャンル:文学
講演日時:1981年11月21日
主催:早稲田大学文学部 文芸専攻
場所:早稲田大学文学部...
Published 08/15/15
【A047】芥川・堀・立原の話
時間:120分(うち質疑応答29分)
音質:5
ジャンル:文学
講演日時:1978年10月19日
主催:京都精華短期大学...
Published 08/15/15
【A023】詩的喩の起源について
時間:45分
音質:3
ジャンル:文学
講演日時:1971年5月2日
主催:日本現代詩人会
場所:新宿・紀伊国屋ホール
収載書誌:中公文庫『語りの海3』(1995年)
音源について
ところどころに録音者の手元で
ノイズが入る個所が
クリアに収録されている。
講演より
日本の詩が発生の起源に近いところで
保存しているものから、
詩的な喩の起源として考えられることは、
一篇の詩形式のすべてを使って
主観的な感情をあらわすというふうには
詩の表現は可能ではなかった、ということです。
日本では、詩の問題は
「詩のなかに意味を込める」ことには
なかったんじゃないか、ということです。
一般的に風景の描写とか
日本的な自然美といわれていることは、
本当はまったくの錯覚であって、
詩の起源に近いところで
「景物」が表現にあらわれている場合、
その「景物」は決して写実的な意味での
「景物」あるいは「自然」ということを意味せず、
むしろ宗教的あるいは自然信仰の段階において
個人の観念でなく
共同体の観念が象徴的に寄り集まるところとして
「自然」というものが詩の...
Published 08/15/15
【A094】時代はどう変わろうとしているのか
時間:93分
音質:2
ジャンル:思想
講演日時:1986年7月12日
主催:群馬県庁労働組合
場所:群馬会館ホール
収載書誌:未発表
音源について
録音者の手元のノイズが
入っており
音質はあまりよくない。
講演より
時計は「時を計る」という目的のためにありますが、
現在、1000円か1500円出せば
ひと月に何十秒の狂いしかないデジタル時計を
たやすく手に入れることができます。
「時を計る」という機能でいえば、
これ以上のものはいらないわけです。
これは、究極時計というものが
できてしまっているということだと僕は思います。
現在のいくつかの兆候をよく考えてみると、
「これはほとんど究極に近いんじゃないか」
というような商品とか分野とか発達度というものが
ポツポツと存在することがわかります。
これはとても重要なことだと僕には思われます。
もし機会がありましたら、
「このことは究極までいっているのかな」とか
「こうやったら究極になるんじゃないか」ということを、
ぜひ考えてご覧になるとよろしいと思います。
この講演のテキストを読む
Published 08/15/15
【A110】普遍映像論
時間:104分
音質:3
ジャンル:思想
講演日時:1988年6月3日
主催:京都精華大学 学生部
場所:京都精華大学
収載書誌:未発表
音源について
京都精華大学大教室。
一般の人にも開放され、
他大学の学生の参加も多かった。
音源は主催者から提供だが
ライン録音ではない。
講演より
言葉の表現者であり、
同時に死の経験者である──そのふたつのことを
兼ねている文学者がいます。
日本では島尾敏雄という作家です。
もうひとりは、ドストエフスキーです。
この人たちの体験と表現のなかには、
死の体験のイメージと、
死の体験から生きて帰ってきたイメージと、
文学作品としての言葉の芸術が
一身に兼ねられているのです。
そのなかのイメージの構造と作品の構造との関わりあいを
取り出すことができるならば、
いっぺんに解けてしまう問題があるわけです。
この講演のテキストを読む
Published 08/15/15
【A063】物語の現象論
時間:99分
音質:4
ジャンル:文学
講演日時:1981年11月21日
主催:早稲田大学文学部 文芸専攻
場所:早稲田大学文学部...
Published 08/15/15
【A047】芥川・堀・立原の話
時間:120分(うち質疑応答29分)
音質:5
ジャンル:文学
講演日時:1978年10月19日
主催:京都精華短期大学...
Published 08/15/15
【A023】詩的喩の起源について
時間:45分
音質:3
ジャンル:文学
講演日時:1971年5月2日
主催:日本現代詩人会
場所:新宿・紀伊国屋ホール
収載書誌:中公文庫『語りの海3』(1995年)
音源について
ところどころに録音者の手元で
ノイズが入る個所が
クリアに収録されている。
講演より
日本の詩が発生の起源に近いところで
保存しているものから、
詩的な喩の起源として考えられることは、
一篇の詩形式のすべてを使って
主観的な感情をあらわすというふうには
詩の表現は可能ではなかった、ということです。
日本では、詩の問題は
「詩のなかに意味を込める」ことには
なかったんじゃないか、ということです。
一般的に風景の描写とか
日本的な自然美といわれていることは、
本当はまったくの錯覚であって、
詩の起源に近いところで
「景物」が表現にあらわれている場合、
その「景物」は決して写実的な意味での
「景物」あるいは「自然」ということを意味せず、
むしろ宗教的あるいは自然信仰の段階において
個人の観念でなく
共同体の観念が象徴的に寄り集まるところとして
「自然」というものが詩の...
Published 08/15/15
【A094】時代はどう変わろうとしているのか
時間:93分
音質:2
ジャンル:思想
講演日時:1986年7月12日
主催:群馬県庁労働組合
場所:群馬会館ホール
収載書誌:未発表
音源について
録音者の手元のノイズが
入っており
音質はあまりよくない。
講演より
時計は「時を計る」という目的のためにありますが、
現在、1000円か1500円出せば
ひと月に何十秒の狂いしかないデジタル時計を
たやすく手に入れることができます。
「時を計る」という機能でいえば、
これ以上のものはいらないわけです。
これは、究極時計というものが
できてしまっているということだと僕は思います。
現在のいくつかの兆候をよく考えてみると、
「これはほとんど究極に近いんじゃないか」
というような商品とか分野とか発達度というものが
ポツポツと存在することがわかります。
これはとても重要なことだと僕には思われます。
もし機会がありましたら、
「このことは究極までいっているのかな」とか
「こうやったら究極になるんじゃないか」ということを、
ぜひ考えてご覧になるとよろしいと思います。
この講演のテキストを読む
Published 08/15/15
【A110】普遍映像論
時間:104分
音質:3
ジャンル:思想
講演日時:1988年6月3日
主催:京都精華大学 学生部
場所:京都精華大学
収載書誌:未発表
音源について
京都精華大学大教室。
一般の人にも開放され、
他大学の学生の参加も多かった。
音源は主催者から提供だが
ライン録音ではない。
講演より
言葉の表現者であり、
同時に死の経験者である──そのふたつのことを
兼ねている文学者がいます。
日本では島尾敏雄という作家です。
もうひとりは、ドストエフスキーです。
この人たちの体験と表現のなかには、
死の体験のイメージと、
死の体験から生きて帰ってきたイメージと、
文学作品としての言葉の芸術が
一身に兼ねられているのです。
そのなかのイメージの構造と作品の構造との関わりあいを
取り出すことができるならば、
いっぺんに解けてしまう問題があるわけです。
この講演のテキストを読む
Published 08/15/15
【A025】共同体論について
時間:77分
音質:2
ジャンル:思想
講演日時:1971年5月9日
主催:止揚の会/西荻南教会
場所:文京区民センター
収載書誌:中公文庫『語りの海1...
Published 08/15/15
【A019】「擬制の終焉」以後十年──政治思想の所在をめぐって
時間:34分
音質:2
ジャンル:情況
講演日時:1970年7月17日
主催:共産主義者同盟叛旗派編集委員会
場所:中野公会堂
収載書誌:弓立社『敗北の構造』(1972年)
音源について
共産主義者同盟叛旗派の主催による
〈首都労学政治集会〉での講演。
吉本隆明の講演の原題は
「若き戦士たちへ」。
ノイズが多く、音質はよくない。
講演より
社会は、日々働き生産し食べていく
経済社会的な過程さえあれば、
永遠の昔から永遠の未来まで続きます。
しかしそのうえにのっかる法的・政治的国家、
あるいはそこから導入される国家権力というのは、
必ずしもそれと対応せず、因果関係になくとも、
あるいは部族、民族を異にしても、
横合いからいきなりやってきてさらってしまうことは
いくらでもありうるわけです。
「経済社会構成の変化なしに
上部構造の変化はありえない」とか、
「基幹産業における組織労働者の立ち上がりなしには
政治革命がありえない」という考え方は、
迷信だと思います。
Published 08/15/15