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「わかりやすさ」を意識しすぎるあまり、何も個性がない漫画になってしまっているのでは…? 編集者のアドバイスを聞いて描き直しを続けるうちに、そんな気持ちに囚われてしまう漫画家もいるかもしれません。 もっと「自分らしさ」や「個人的な萌え」を強く出さないといけないのでは…? と不安を感じることもあるでしょう。 しかし、漫画家が心の内に秘めた狂気のようなものは、隠し切れるものではありません。 むしろ、消そうとしても消しきれないそれこそが、本当の「個性」であり、読者はそこに最大の魅力を感じるのではないでしょうか? 今回は、そんな「個性」と「わかりやすさ」について、GWボケを引きずったままの2人が考えていきます! ※なお、本編は37:03 からになります! そこまでは、ただただ2人がGWに見た映画やドラマについて話をしているだけのグダグダが続くのでご注意ください!
Published 05/13/24
漫画家自身の癖(へき)が滲み出るような作品こそ、読者に「扉を開く」「何かに目覚めさせる」ような体験を与えるのではないでしょうか。 そんな元漫画家の編集長・ごとうが、作品作りにおいて大切にしたいと考えているのが「ネーム」ではなく「企画」そして「ログライン」です。 今回はコルクスタジオ編集部としての制作体制や現状&展望をしっかりと紹介しつつ、5月24日(金)19時半より開催の『マンガ家交流会』についても案内させていただきます。 250名ものマンガ家が集合&ご飯も豪華なリアル交流会イベント、ぜひお見逃しなく! ※特にこのラジオを聴いてくださってる貴方のご参加を、心よりお待ちしております!
Published 05/10/24
自分の漫画のキャラの台詞に対し「不自然ではないか」「説明的すぎる」などの指摘を受けたことはありませんか。 とはいえ漫画のキャラの台詞は、そもそも説明のために喋らせている場面が多く、台詞を避けて絵で表現しようとすると、かえって間伸びやテンポが悪くなってしまうケースも。 台詞が不自然さだと感じたら、説明過多になってしまっているかどうかではなく、まずは「キャラの思考の流れが、読者からみたら飛んでしまっているかもしれない」と疑ってみましょう。 文章自体がどれだけ自然でも、違和感や気持ち悪さを覚えてしまうのは、読者が感情・思考の設計についていけないせいかもしれませんよ。
Published 05/08/24
「販促もっと頑張らないと!」「SNSでどんどん宣伝しないと!」と、書き手である漫画家自身が、作品ではなくアピールのことばかり考えてしまうケースも多くなってきたのではないでしょうか。 しかし、漫画家が個人でいくら頑張ったとしても、その効果には限界があります。 それよりも、売ってくれる人・広めてくれる人に効率的にアプローチするほうが、結果として多くの読者に作品が届くようになるはず。 今回はマンガスクリプトDr.ごとうが、珍しく自身の「営業」に関するエピソードなどを振り返りながら、上手な仕掛け・売り方について考えていきます!
Published 05/06/24
漫画のキャラは、 企画段階では「まだそこに存在していない人物」であり、そんな人物の過去や深い背景などわからないのが当たり前です。 それゆえ、キャラづくりの過程では、「こういう人がいたら嬉しい」「こんな人であってほしい」という観点が必要となり、そこには作者であるあなた自身の「価値観」が深く反映されていくはずです。 だからこそ、キャラの掘り下げが浅いと思ってしまうようなときは、まず自分自身を掘ることを先にやってみましょう。 自分の中にないものをキャラに反映させるのではなく、自分の中にあるもののうちの一部を分けていくことで、きっと大事なものが見つかるはず。 今回はそんな思考の深め方について考えてきます!
Published 05/03/24
漫画家にとって漫画編集者の役割とは、漫画家の作品を世に届けること、そして漫画の最初の読者として「こう伝わった」というシンプルなフィードバックをしてあげること。 作品を初めて読んだ際に覚えた違和感やモヤモヤに対し、 ・「もっとこう直したい」という、自分の外の世界(作品)に変化を与えたい欲求 ・「もっとちゃんと知りたい」という、自分の外の世界(作品)から手に入れたい欲求 の2つの欲求を同時に抱きながら、的確なフィードバックをおこなうことを漫画編集者は心がけています。 前者を伝えるのは簡単ですが、伝え方によっては漫画家のヤル気を削ぐだけなので、気をつけないといけません。 後者は心の中に一瞬よぎった感情を巻き戻し、読み手として何を欲しているかを漫画家にきちんと伝える必要があるため、非常にハイレベルなスキルが要求されることになります。 でもそれでいて、後者だけでは雑な仕事しかしていないと思われる危険もあるのが編集者という職業。 そんなわけで今回は、いろいろある編集者の仕事の中で、特に漫画家のためになりそうな部分に特化してお話していきます。
Published 05/01/24
自分が知らない分野の話やより深い話を描くためには、やっぱり取材はしておきたい! でも、編集者が同行してくれるような正式な取材でないと、アポ取りや居住地の関係などで難しい場合も多そう……? ヤル気はあっても、題材やテーマによっては自力でおこなうのは難しいのが「取材」かもしれません。 もちろんできる範囲で自分で足を運ぶことは非常に大切ですが、書籍や映像からでも得られるものは沢山あります。 さらに元・小学館でIKKIの編集長だった江上英樹さんが教えてくれた取材のポイント、それは ・取材とは「情報」を探すのではなく、「人」を探すこと ・「その分野に詳しい人」ではなく、「その分野のことを楽しく話せる人」の話を聞く(読む)こと 漫画は結局「人」を描くからこそ、情報より魅力的な人を見つけ出すことが重要であり、それは書籍や映像、そして現在はSNSなんかからでも探すことができるようになったわけです。 そんな感じで今回は、居住地や立場など関係なく、面白い漫画を描くためにおこないたい「取材」の考え方と取り組み方を紹介していきます!
Published 04/29/24
「いつになったら自分の画力は上達するのか、このまま何年も伸びなかったらどうしよう…」 漫画家志望の人なら誰もが悩むであろう永遠のテーマに対し、ついに解決法を発見。その答えこそが、AIの活用でした! もちろんポイントは「AI に出力させて描かせる」のではなく、「AIを活用して、自分の画力を素早く上達させる」こと。 自分にとって最適なお手本を、無限に・即時に出力し続けてくれるのは、まさにAIからしか得られない最高のサポートです。 AIのおかげで圧倒的な練習量を確保できるようになったことで、これまででは考えられない速度で画力を上達させられる時代が、ついに到来したのかもしれません。 なにかと話題になる「漫画家とAIの共存」について、ポジティブな側面を語っていきます。 *今回は本題に入るまでがいつになく長いので、タイトルの内容が気になる方は、21:28あたりからお聞きください・・・!
Published 04/26/24
「この企画はマジで最高! 大ヒット間違いないし、描きたくてたまらない!」 「でも、自分の画力ではまだ描かないほうがいいのでは… もっと技術が上達してからでないと、せっかくのアイデアが勿体ないことになりそう…」 自分の画力や技術の問題から、本当に描きたい最高の企画を「セルフボツ」にしている経験はありませんか? いつか納得するスキルを得られたら…と、執筆を先延ばしにするのも漫画家として大事な戦略ですが、描きたい気持ちを抑えてまで別の企画を描いているのは勿体ない! もちろんイメージどおりの表現ができないことで挫折を感じてしまうこともあるでしょう。 だからこそ、そこで諦めてしまわないための対策を、マンガスクリプトDr.ごとうが伝授! ・セルフリメイクで何度も描く ・まずは短い話、ちょっとしたエピソードから描く ・サイドストーリーや日常回から描く などなど、初心者からでもすぐに取り組める「段階設計」について解説していきます!
Published 04/24/24
漫画家が複数の担当者に自分の企画を持ち込むのは、ある意味当たり前のこと。自分の企画を高く評価してくるところとやるのが一番です。 もちろん担当者と一緒につくった企画を他所に持ち込むのはダメですが、自分でつくった企画なら、いろいろな編集部に評価を聞いて回って、良かった点・悪かった点を書き出してみるのもいいでしょう。 きっといいブラッシュアップになるはずです。 また、特典つけて漫画を売り上げを伸ばす作品(作家)に対しては、抵抗感や嫌悪感を持つ人もいるかもしれません。 でもそれは、特典をつける方法で売り出すほど編集部に評価されている作品(作家)かどうか、という見方もできます。 作品としての性質や作風の違いはもちろんありますが、どうしたって連載陣の中で序列のようなものはありますし、編集者や出版社側のリソースは有限です。 自身の売り出し方について交渉のテーブルに立つには、やはりどれだけ評価されているか、がポイントになってしまいます。 今回はそんな連載前・連載後の「評価」に関するお悩みにお答えしていきます。
Published 04/22/24
「新人漫画家だからわからないと思うけど、こうすると売れるんだよ」 そんな編集者からの提案・アドバイスと、自分の描きたい方向が明らかに異なる場合、どこまで自分の意見を言っても大丈夫なのか? マンガスクリプトDr.のごとうが、自身の実体験を踏まえながら「こう言えば良かったのではないか」を振り返ります。 作品は作家のものですが、世に出す上ではパートナーである編集者との交渉、そして納得も必要。 なお結論として、相手に伝えるべきは「原因をしっかり考えた上での代替案」と「自身の描きたい気持ち」、そして「作品のウリとなるポイント」ではないか、という話となっています。
Published 04/19/24
PV人気ランキングが掲載されているWeb漫画媒体は多いですが、「セクシー系」「エロ系」の漫画が上位を占める傾向が強いかもしれません。 「頑張って面白い作品を描いても、結局エロ系に人気は負けてしまう」「担当者からも、セクシー要素を足すようアドバイスされてしまう」 そんな悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。 でも、エッチな表現が多めの漫画自体は昔からずっと描かれていますし、名作と呼ばれる漫画もたくさん存在します。 それらの作品が持つ、単なるエロ要素や性癖とは違う「漫画としての魅力」はどこにあるのか。 今回はエッチ系漫画の過去の名作を通して、「その作家らしい表現」「作風」について考えます!
Published 04/17/24
「担当の編集者とうまくいっていない……」 「話していて、どうもしっくりこない……」 漫画家さんから受けるお悩み相談の半分ぐらいは、この話題かもしれません。 一緒に良い作品をつくっていくための同志・パートナーである編集者が、逆に作品づくりにおける障害物とならないために必要なのは、やはり「お互いを知る」ことではないでしょうか。 この人はどんなタイプで、何を大事にしているのか。 漫画家と同じく、編集者もタイプ別に分類できるようになれば、コミュニケーション上の対策も立てられるようになるのではないか。 今回は「担当編集ガチャ問題」の解決に向けた取り組みについて考えていきます!
Published 04/15/24
絵の好みは人それぞれ。特に漫画は、いわゆる画力そのものより、好みかどうかで作品を選ぶ読者が多いのではないでしょうか。 だからこそ、自分の画風を好き・支持してくれる人たちに向けた作品づくりを意識していきましょう。 今回は、「せっかくの良い原作が、自分の作画のせいで売れないのでは?」という相談のお便りをもとに、作画におけるお悩みや意識の問題について考えます。
Published 04/12/24
漫画のタイトルの付け方に、正解や法則はあるのか? 答えの出ないテーマに対し、過去作品の分類や傾向を踏まえつつ、個人的な見解を話し合う回になっています。 「すっぱい葡萄」のような認知的不協和、「鬼滅の刃」のような“の”を入れることの面白さ、ちょっとした違和感の残し方etc . 感覚派の皆さんも理論派の皆さんも、ぜひご自身のタイトルの付け方について教えてください!
Published 04/10/24
どれだけ素晴らしい曲を書いたとしても、演奏がダメでは全くその良さが伝わりません。 漫画も同じで、良い作品には「中身」と「伝え方」の両方が求められます。 伝え方は技術の問題であり、それは鍛えるしかないのですが、重要なのは「作品の面白さ」と「自分(作者)のメッセージ」のどちらが伝わってないのかという部分。 もしメッセージが伝わらないと悩んでいるのであれば、「相手に伝えるための工夫が不足しているのかも?」と考えてみることが大切かもしれません。 というわけで今回は、感想をもらうことの難しさ・伝えることの難しさについて、改めて解説していきます!
Published 04/08/24
自分とは全くタイプの異なる「○○キャラ」を描くために。 大切なのは、そのキャラがいかに○○であるかを証明することではなく、○○っぽいと感じさせる所作や佇まい、ディティールをしっかりと描き切ることです。 そのために必要となるのが「観察力」。 例えば自分のネームに行き詰まったとき「あだち充先生や高橋留美子先生なら、この先どう描くか?」と想像したら、意外とすぐに続きが思い浮かぶのではないでしょうか。 さらにわかりやすいのは、「細かすぎて伝わらないモノマネ」などで芸人さんが演じるキャラクターたち。 実際には存在しないにも関わらず、多くの人にとってリアルだと感じられるからこそ面白いネタになっています。 漫画に限らず、全てのクリエティブにおいて大切となるであろう「観察力」の重要性、そして参考になる作品について、今回はしっかり解説していきます! 【今回ごとうが推薦した漫画作品】 ▼「無能の鷹」(はんざき朝未 先生/講談社) https://comic-days.com/episode/10834108156680395853
Published 04/05/24
漫画業界に限らずどんな業界においても、真摯にお互いを高め合う人たちもいれば、ただ腐ってるだけの人たちもいます。 だからこそ、「どこに属せるか」が本当に大事なるのではないでしょうか。 以前このラジオでは『漫画家になりたい!という熱意が保てない』というお悩みをいただきましたが、「自分には全く理解できない」という反響もあった一方、「実はものすごくよくわかる…」というお便りもたくさん寄せられました。 正解は人それぞれという難しいテーマですが、質問者の方は自らこの問いを立てたことで、「自分の一歩先をいく人たちの背中が欲しかったんだ」という素晴らしい気づきを得られたようです。 漫画家は個人の事業かもしれませんが、孤独ではないことが創作にとって良い影響を及ぼすのではないでしょうか。 今回はあらためて、お互い高め合っていくような、ただの仲良しこよしではなく「お前やるじゃないか」と認め合うような関係性の形成について、考えていきたいと思います。
Published 04/03/24
漫画制作において3D素材やAIを活用することに対し、賛否両論あります。 例えば「時短」の観点では漫画家の強い味方になってくれる一方、出力結果をそのまま利用することで「作品の雰囲気」そのものを壊してしまうようなケースも。 結局どんなツールであっても「上手に活用すること」が大切なのではないでしょうか。 今回は、人生終盤の目標として「自分にしか書けない漫画を描きたい!」と再び筆をとったものの、実際に描き始めたら「漫画描くのって超大変だった!」ことを思い出したマンガスクリプトDr.ごとうが、おすすめの素材サイトやAIの活用方法について紹介していきます。 【今回ごとうが紹介したサイトやページ】 ●ACON(3D素材サイト): https://acon3d.com/ja ●Krita(ペイントソフト): https://krita.org/ja/ ●スケッチアップがあればウェブトゥーンの背景はもっときれいに!簡単に!(丹羽四つ葉(Niwa Yotsuba)さんのnote): https://note.com/yotsubaba/n/na66743545aad
Published 04/01/24
たとえば、物語世界の設定として1つファンタジー的な要素が入っていて、主人公のほうでも1つ特殊能力的な設定が入っている場合。 設定同士の「主」と「従」がハッキリしていれば問題ないですが、全然別の「主」と「主」が入っていると、途端に難解になったりご都合主義になったりで物語の魅力を損ねてしまいそうです。 今回は漫画業界でよく言われる「漫画に嘘が2つ以上入ってるとダメ」説を検証し、どんな設定の組み立てなら嘘が2つ以上入っていても大丈夫なのかを考えます!
Published 03/29/24
「読み切りなら良いアイデアがどんどん浮かぶが、連載となると難しい……」 長く楽しめる魅力をいかに上手く見出せるか。 そこが連載作品にとってのポイントであり、読み切り作品との最大の違いとなるでしょう。 そして、読み切り脳のままでは見つけにくい「ずっと叶わない(=追い続ける)主人公の願い」こそが、各雑誌のブランドがもっとも影響してくる部分になるのではないでしょうか。 作品を発表するだけならSNSなど多くの方法がある現代だからこそ、雑誌(アプリ含)連載作品にとって大切なのは何か、雑誌連載になると何が違うのかについて考えます! <今回紹介させていただいた作品> ・『写して』(山本登先生) https://shonenjumpplus.com/episode/9324103623764425925
Published 03/27/24
「自身の個性を活かした、自分にしか描けないキャラクターをつくろう」という“常識”の真逆のアドバイスをされたら、あなたはどうしますか? 『でんぢゃらすじーさん』の曽山先生が、先日Xに投稿されて話題となった問いになります。 https://twitter.com/soyamanga/status/1768777292472578116 「自分以外でも描ける」を意識しすぎると、自分が描く意味のようなものを見失ってしまうかもしれません。 でもキャラを描くうえでは、「自分のキャラの魅力、自分で思ってるほど伝わってない」という目線で見ることが、非常に大切となります。 というわけで今回は、「自分以外でも描けるとは、他人に伝播する、わかりやすい萌えポイントが入ってることではないか?」という仮説を紹介していきます!
Published 03/25/24
職業としての漫画家の「神格性」や「憧れ」、あるいは「キラキラ度」といった価値は、昔と比べて確かに下がっているかもしれません。 だからこそ、漫画家を目指すかどうかで大切な判断軸となるのが、「漫画を描く目的」です。 読者に漫画を届けたい・伝えたいという気持ちが、自分の中にあるのかどうか。 読者がいてもいなくても変わらないというのであれば、描き続けるのは難しくなるかもしれません。でも、ちゃんと気持ちが読者のほうを向いてるのであれば、描き続けることもできるのかも。 今回は、読者から頂いたお便りをもとに、漫画家を目指し続けるかどうかという気持ちとの向き合い方・捉え方についてお話をさせていただきます。
Published 03/22/24
キャラを立たせるためには、「主義」が重要です。 行動原理やこだわり、大事にしているものは何か。めちゃくちゃ追い込まれた時、すがるものは何か。そのキャラの芯にあるものこそが、主義になります。 もちろんキャラの性格は、少年漫画の主人公のように単純明快な場合もあれば、リアル志向の漫画の人物のように多面的で複雑な場合もあるでしょう。 でも、たとえストレートには伝わりにくくても、漫画家自身がキャラの主義を掴んでおけば、ブレの防止につながるはずです。 そんなわけで今回は、キャラの主義の持たせ方について考えます。
Published 03/20/24